第26話 彼女持ちの男の気持ちが少しだけわかった気がする。
「あん?」
俺はうざったいアラームの音で目が覚めた。
今日は月とキャンプに行く日だ。
(なんやかんやいっても結構楽しみなんだよな。)
そう。俺はかなりわくわくしていた。
実際友人と一緒にキャンプに行くことなんて初めてなのでわくわくする。
「BBQとかもやったことないしな。」
俺はとっとと顔を洗って歯を磨く。
しっかりと身だしなみを整えて玄関を開ける。
するとそこにはやはりといってはなんだが、月がいた。
「お前なんで玄関前に立ってるんだよ。インターホン鳴らせよ。あけてやるのに。」
「でも、いつも星乃君の驚いた顔が見れるから別にいいの。それよりどう?」
そういって月はその場でくるりと回った。
いつもは下ろしている長い金髪を今日はポニーテールにしており。服装は涼しそうな半そでのシャツとジーパンでアウトドアにぴったりの装いだった。
正直言ってかなり可愛いと思う。
まさに二次元にいるような天使が三次元に降臨したかのように思えた。
「ん?なんで黙ってるの?私の恰好何か変かな?」
少し不安そうに月はそういっていた。
「あ、いや全く変ではではないぞ。むしろ似合いすぎてて言葉が出てこなかった。」
ふと月の顔を見るとその頬は朱色に染まっていた。
「月、顔が赤いぞ?」
「うるさい。星乃君のバカ。」
月はそういうと俺のことを小突いてきた。
(地味に痛い。)
「悪かったって。でも本当に少し見とれてたよ。」
「ほんと星乃君はそういう所だよ?」
「何が?」
「はぁ。」
何でため息をつかれたんだ?
「じゃあ、行くか!」
「そうだね。行こう!」
こうして俺と月は電車に乗って予約したコテージに向かった。
道中は特に何もなかったが、かなり月が視線を集めていた。
同性からは羨望の眼差しを集めていた。
異性からは二度見もされていた。
やはり彼女が美しいということを自覚するとともに少しだけ可愛い彼女と街中で歩く良さが分かったような気がした。
まあ、月は別に彼女ではないのだが、、、
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「ついたね~」
「だな。」
片道約二時間の電車旅を終えて俺たちはキャンプ場とコテージがある場所にたどり着いた。
ここら辺はかなり田舎といった様子で周りは緑でいっぱいだった。
「空気がおいしいねぇ。」
「ああ。静かだし空気がきれいだな。たまにはこういう所に来るのもいいのかもしれない。」
「だね。」
時刻は十時ほどで今日は快晴であるため風がかなり気持ちいい。
気候も五月の上旬であるため涼しくかなり過ごしやすい気候に思える。
「じゃあ、さっそくキャンプ場に向かってBBQしよっか。」
「だな。そろそろこの荷物も下ろしたいし。」
俺は両手に昨日買った食材を持っていたため結構重かったりする。
(正直もう腕がパンパンだ。早く下ろしたい。)
俺はそんなことを考えながらキャンプ場に向かうのだつた。
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