第12話グループ通話その3

『はいは〜い、結伊です』


『どうされました、庵先輩?』


『お待たしました、美優でぇ〜す☆』



「待ってたわよ、みんなっ!」


『庵先輩からの通話連絡なんて珍しいですよね?』


『あ〜なるほど…アタシは察したわ』


『歩美先輩もですか?私もなんとなくですけど察しました』


「私もようやくみんなと並んだから…まあ、告白だけなんだけどね?」


『そうなんですね』


『やっぱり…でも…』


『告白だけですか?キスしなかったんですか?』


「流石に…その…恥ずかしくて…出来なかったわ」


『ヤバっ…』


『…確かに…これは…ヤバいわね』


『本当ですよっ!?なんていう色っぽい表情をするんですかっ!?同性なのにキュン…っとしちゃったうえに濡れちゃいましたよ』


『『それは美優だけだから』』


『えっ!?今の絶対に歩美先輩は濡れてますよ!?』


『んなっ!?アタシは濡れてないわよ!?変な事言わないでくれるっ!?』


『歩美ちゃんは聖夜で濡れるもんね?私もそうだけど』


『そ、そうよ!って、結伊も変な事言わないでよね!?あんた最近美優の薄っぺらい本ばかり見てるから美優になってきてるわよ?』


『えっ!?ホントにっ!?気をつけよう』


『ちょっ、ちょっと二人とも!?雑です、私の扱い雑いですっ!!』


「えっ…と…。とりあえず…美優にはそう言ってもらえたから…ありがとうと言うべきかしら?」


『とにかく…みんな告白は済ませたって事ね』


「まあ、私の場合はちょっとしたアクデントがあって…変な告白の仕方になってしまったんだけどね」


『『『…アクシデント?』』』


…そろそろ入ってくると思うわ」


『『『入って来る???』』』


『みんな…はじめまして。ボクは牧童心音。みんなの事は庵先輩から聞いているよ』


『もしかして…』


『間違いないわね…あなたも…聖夜が好きなのね?』


『そうだよ。誰にも負けないくらいね』


『っ!? 言うわね…』


『当然だよ。だからこそボクもここに呼んでくれたんだよね、庵先輩?』


「ええ」


『じゃあ…宜しくね、心音ちゃん!私は結伊だよ』


『宜しく、結伊』


『…歩美よ』


『宜しく、歩美』


『…んっ?美優はどうしたの?』


『そういえば…さっきから静かだよね?』


『ぼっ…』


「『『『…ぼっ?』』』」


『ボクっ娘、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』


『やかましいわよ、美優!』


『歩美先輩には分からないんですかっ!?ボクっ娘ですよ?ボクっ娘の良さが!?ボクっ娘が分からされていく展開なんて…ジュルリ…最高じゃないですかっ!?』


『た、確かに…私も少し分かる…分かってしまうよ…』


『結伊っ!?あんた毒され過ぎでしょっ!?』


『これは…また。少し濃ゆい後輩がいるみたいだね』


「美優ちゃんは数に入れなくてもいいわよ?クスッ…」


『庵先輩も私をそんな風に言わないで下さい!?』


『いや…それは言うでしょっ?』


『歩美先輩は黙ってて下さい!』


「まあ、とにかくそういうわけで……それぞれ頑張りましょうという事と新しいライバルをみんなに紹介したかったのよ」


『とにかく…ボクは負ける気なんてないから…宜しく』


『それは私もだよ』


『アタシも負けないから』


『私もそれは譲れないですね』


「私もよ――」

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