第17話さあ、行くわよ?
「さあ、行くわよ、聖夜君?」
これは放課後の事だ…。いつもの様に帰る準備をしていると一気にクラスが騒がしくなる…。何だと視線を向けると…それもその筈…。この学校で三年生の中でも美少女で有名な白﨑庵が一年生の教室に入って来たのだから…。
そして…クラスを見渡し…何かを見つけたかの様に俺の方へとやって来た。
「あれって…」
「そろそろ来ると思ってたのよね」
「だよね…誰かさんはまた…別の事を思うだろうけど…」
3人はいつも何をブツブツ言ってるんだ?たまには俺にも分かる様に言ってくれないかな?
「今日は居てくれたわね?」
「え〜と…何か?」
「い、言ったでしょ?お礼は必ず…するからって?」
「いえいえ…それには及びませんって!」
「…私も言ったわ…。必ずお礼はするからって!それに…男の人にこんな気持ちになったのは初めてなのよ…」
先輩を顔を背けながらそう言った…。男の人が苦手なのだろうか?なら…無理しない方がいいだろうに…。
「あの顔はそう思ってる筈だよね?」
「ホント…鈍感なんだから…」
「たまに思うのよね…鈍感過ぎるのに…何でアイツなんだんだろうって…」
「あっ…それ分かる気がする」
「でしょう?」
そこは何を盛り上がってるんだよ?
「と、とにかく…」
「あっ…はい」
「さあ、行くわよ、聖夜君?」
こうして冒頭へと至るわけだ…。どうしてこうなった?腕を組まれ…
「「ああっー!?」」
「やれやれ…」
結伊も歩美も驚く前に先輩を止めてくれていいんだぞっ?輝昭はやれやれ…じゃあないんだよ?元主人公だろ?助けてくれよな?
「アイツ…2人もクラスの美少女に懐かれてるのに…」
「何で…アイツばっかり…」
「くっ…死に晒せ」
「お前の母ちゃん…デベソ!」
「俺も青春したい…」
まあ、俺の願いも虚しく先輩に連れ去られてしまう…。クラスの視線の痛い事痛い事…。俺のせいじゃあないからな?結伊と歩美は付き合いが長いだけだからな?お前の母ちゃんデベソって小学生でも言わないぞ?
そして…やって来た場所は先日美憂とやって来たカフェだった…。
「ここってカップル御用達のカフェなの」
はい?先日美優と来たけど…アイツ一言もそんな事言ってなかったんだが!?
「あ、あくまで…その…お礼だし?なんなら…ここのカフェのパフェが美味しいから…その…」
(私の馬鹿っ!?ひよってしまうなんて…)
「ああ…そうですね」
そう言うと…凄い勢いで先輩はこちらへと振り向いた!むち打ちに近い事になりますよ?
「何で知ってるの!?」
「え〜と…味をという事ですか?」
「そそそ、そうよ!まさか…クラスに居たあの子達2人の内のどっちかと来たって事!?もしかして既に付き合ってたっ!?」
「いえいえ…まさか…誰とも付き合ってませんし…」
「そ、そう…。はっ!?なら誰と…」
「それなら…」
「私ですよね♪せ・ん・ぱ・い♡」
先輩と共に声の主に顔を向ける…。そこには美優が居て…
「あなたは…」
「美優」
「はい、先輩だけの美優ですよ?」
「俺の美優じゃあないけどな?」
「ちょっ!?先輩!?そこは合わせてくれないと!?」
(先輩また!?また、引っ掛けてたんですか!?)
「ふふっ…なるほど…ね…。そういう事ね」
「くっ…」
2人とも睨み合うのやめない?と、いうか何で睨み合ってるんだよ…。仲良くしようぜ?
そう思う俺だった…。 ったくどうなるのやら…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます