第14話センパイ暇そうですね?
今日は街へと一人でやって来た。なんとなく本屋、家電等を見て回る。要するに今日の俺は暇だということだ…。
宛もなく色んな物を見て回っている途中…
「センパーーーーーイ!!!」
この声は…。声がした方に体ごと振り返り構える。
「どーーーーーん!」
「ぐふぅ…」
案の定…俺に突進して来たのは後輩の美優…。
「あ〜…久しぶりのセンパイの匂い…すんすん…すんすんすんすん…すぅぅぅぅ〜〜〜」
「嗅ぎすぎ…嗅ぎすぎだから!変態か?」
「…女の子に変態だなんて…センパイの馬鹿っ…すぅぅぅぅ〜〜〜」
「そう言いながら嗅ぐんじゃない!」
全く…臭かったらどうするんだよ?アレか?美優は匂いフェチというやつか?
「あ〜久しぶりのセンパイの匂い…堪能しました」
「…そんなもん堪能すなっ!」
「だって…久しぶりに逢えたんですよ?中々会えなくて寂しかったんですもん…」
「…そういうのは彼氏に言うもんだぞっ?」
「センパイの…鈍感」
「何てっ?」
「難聴系センパイの馬鹿っ!―と、言ったんですぅぅ!」
「酷い言われ様だな…」
「それよりもセンパイ暇なんですよね?」
「…そう見えるか?」
「うんうん…私には見えます見えます!ついでにセンパイには女難の相もハッキリと見えますよ?」
「何だよ!女難の相って?俺がモテナイ事を馬鹿にしたいのか?」
「とにかく一人で街へと来たそんな寂しい寂しいセンパイには私が付き合ってあげますから!エッヘン!」
「何が付き合ってあげるだ…今日は何を奢らせる気なんだよ?」
「駅前にあるカフェのパフェが食べたいです♪」
「ったく、食べたいですじゃないからな?早く彼氏作ってだな…」
「センパイが彼氏になってくれても…良いんですよ?」
「結伊も美優も冗談ばかり言いやがって…」
「…結伊センパイと何かあったんですか!?」
「いや…何かあったというよりは…揶揄われた?みたいな…」
「全部聞かせて下さい!」
「ええっ…とっ…それは…」
「聞かせてくれないならセンパイにパンツ脱がされたと噂広めますからね?」
「うぉーい!さらっと強迫すなっ!?」
「それだけ私にとっては大事な事なんです!」
「分かった分かったから…」
こうして先日結伊とあった事を赤裸々に美優に話す事に…。口を滑らせてしまったのがマズかった。カフェでパフェを注文して、食べながら話をする事になってしまった。
「―うわぁ〜…それは結伊センパイ…ご愁傷様です…そこまでしても本気が伝わっていないとは…」
「聞こえる様に言ってくれるか?」
「センパイはホン…………………………………ットに馬鹿っなんですね?」
「パフェまで奢らせといて馬鹿呼ばわりするなよなっ?こう見えて学年トップなんだぞっ?」
「センパイの頭の良さは知ってますよ…。ただ…」
「ただ…何だよ?」
「他の面が残念馬鹿なんですよ?」
おい…諦めた感じに言うんじゃないよ!?残念馬鹿ってなんだよ?
「せっかくだし…センパイのそのパフェも味見させて下さいよ?」
「人の悪口言っておいて…よく言えるよな?」
「センパイにしか言いませんよ?」
「…ほらっ?」
「!?」
「どうした食わないのか?」
「た、食べますよ…あ…あ〜ん?」
(こ、このセンパイはナチュラルに自分の使ったスプーンで気にせずあ〜んなんてしてくるんだから!もぅ!もぅ!でも…これ位で怯んでいては結伊センパイに負けてしまうのです!美優、何度目かのセンパイの間接キッス頂きます!)
「…美味しいか?」
「ふ、ふぁい…美味しい…です。センパイも私の食べて見て下さいよ…あ、あ〜ん」
「ぱくっ…うん…こっちもうまいな」
「そ、そうでしょっ?」
(す、少しは照れて意識してくれてもいいじゃないですかっ!?ホントセンパイの馬鹿っ!)
「…何で少し不機嫌なんだよ?」
「何でもありません!今度もまたセンパイの奢りで何処かに連れて行ってもらいますからね?これは決定事項です!」
「理不尽だな…はぁ〜…分かった分かった」
まあ…この日は一日美優に振り回された一日になったな…。まあ、妹が居たらこんな感じだろうし…美優が彼氏出来る迄は付き合ってやらないとな…。
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