第24話

部屋番号を教えられ、誰の尾行もないことを確認して入る。

恵美「初めまして」

鯷球「鯷球です」

恵美「誰もついてきてませんね?」

鯷球「えぇ。大丈夫かと」

恵美「しかしなぜ姉にはここが…」

鯷球「ここの部屋は偽名で借りましたよね?」

恵美「鯷球さんに言われた通り」

鯷球「となると…何か仕込まれているかもしれませんね」

恵美「どこに?

鯷球「バッグを調べさせてもらっていいですか?」

恵美「どうぞ」

鯷球「失礼して…」

バッグから一つ一つ出す。

財布、化粧道具、書類、ペットボトル、携帯と割と少なめ。

鯷球「この中でお姉さんからもらったもの、貸したものはありますか?」

恵美「基本自分のものは自分で…ですね」

鯷球「それじゃ少し失礼しますね」

携帯のGPSを探されている可能性。

ペットボトル、書類には隠されていない。

財布は…少し硬いものがある。

鯷球「この財布何か仕込まれてますね」

恵美「財布に?」

鯷球「何かはわからないですが…とりあえず替えの財布があるのでこちらをお使いください。携帯はGPSが調べられていたらなす術がないので、これでもバレるようでしたら携帯を変えるしかないですね。もしお姉さんの沙耶香さんであれば…ですが」

恵美「姉さんの恋人を奪ったことがあるくらいですが…」

鯷球「それがどれだけのことかわからないですが、可能性が全くないわけではないんですね」

恵美「そういうことです…」

鯷球「ちなみのその彼はどうなさいましたか?」

恵美「屑男だったので…」

鯷球「その男性の線もあるのかな…」

恵美「それではこの後お願いしますね」

鯷球「わかりました。何かに乗られる時は合図してください」

恵美「わかりました」

鯷球「それじゃ行きましょう」

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