第22話

八百屋「球ちゃんあら汁にはこれとこれがいいわよ〜」

鯷球「それじゃそれ買います」

八百屋「それじゃ500円ね!」

鯷球「いや、明らかに2000円くらいするんじゃ…」

八百屋「気にするんじゃないよ全く。球ちゃんのおかげで野菜を食べてくれる人も増えたんだから」

鯷球「それじゃ遠慮なく!」

八百屋「また更新楽しみにしているからねぇ〜」

鯷球「これから作ります〜」鯷球の足取りは軽くなった。心の開いた穴が町の人たちによって少しずつ埋まっていく。

鯷球「うん、やっぱりこの味噌は旨い。魚醤ももらったし、焼きおにぎりにでもするか」

作り終え、写真を撮り食べる。

味噌と魚醤の香りが心地よい。

無心で食べているうちに全て無くなってしまった。

携帯を出すと依頼が入っていた。明日の13時。

午前中の空白を埋め、SNSに投稿する。

片付けをし、シャワーを浴びる。

パソコンをせず、携帯を充電しベッドに入る。

一通りのことが終わり安堵したのか久しぶりに深い眠りについた。

「そうか、それでは各自持ち場へ」

―次の日_13時

鯷球は待ち合わせ場所の喫茶店でコーヒーを飲んでいた。この場所は行きつけでマスターには“いつもの”で通じる仲である。

人はまばらで昼と15時くらいが混む。混むと行っても座れないほどではない。

目の前には綺麗な女性が座っている。依頼者の名前は東雲恵美。その人の代理人である、

彼女の名前は東雲沙耶香。依頼者の姉にあたる。本来依頼主が来るはずだったのが、精神的苦痛で家から出れないらしい。その代わりで姉が出てきたらしい。

東雲姉「申し訳ございません。本人が来るべきだと思うのですが…」

鯷球「代理人の方が来ることは珍しくないので、大丈夫です。それでご依頼の内容は」

東雲姉「恵美からこの手紙を渡してくれと。それとこのことは誰にも知られないようにと」

鯷球「沙耶香さんも見てないのですか?」

東雲姉「気にはなりますが、見ておりません」

鯷球「そうですか」白い封筒を開け、自分にだけ見えるように読む。

東雲姉「どういった内容ですか?」鯷球「すみません。手紙にも誰にも教えるなと」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る