第8話
鯷球は突っ込んだポケットから丸い球を出す。
相手は5人。球を投げつける。
車に当たった球は破裂し、5人全員に被る。
鯷球「茜ちゃん!葵ちゃん!僕の声が聞こえる方までダッシュ!」
声が通じたのだろうか、二人がふらつきながらも走ってくる。
鯷球「二人とも大丈夫?」
茜「球ちゃんなら来てくれると思った!」
葵「効いたね!トウオガラシ球!」
投げた球は唐辛子と魚の粉末が混ざっている。魚の匂いがすることで匂いも取れず、追跡するには持ってこいの試作である。ただとても臭いのが難点だが
茜「私たちは知ってるから目を瞑って難を逃れたけど、あいつら当分目が見えないかもね」
葵「でもこの臭いのはどうにかしてほしい。切実に」
鯷球「しょうがないだろ、これがなかったら5人相手は僕では無理だ」
茜「ざーこ」
鯷球「そんなこと言ってないで他の人を呼んできて、5人は大丈夫だろうけど、おそらく車の中にも何人かいるだろうから。それくらいなら僕でも相手できる」
茜「私警察に連絡する」
葵「私他の人を連れてくる!」
茜は身を隠し、携帯で電話を始める。
葵は運動部ということもあり、すぐさま駆け出していく。
鯷球「運転席に一人は確実だとして…あとはいるのかな?」
車のドアが開く。運転席から一人。助手席から一人。計二人。
鯷球「運転手の方は何とかなるとは思うんだけど…助手席の君は助っ人外国人かなんか?」
外人「私のビジネスを邪魔するとは」
鯷球「は?ビジネス?人身売買でもすんの?」
外人「日本人若いと買ってくれるいい人たちいっぱいいます」
鯷球「そうか、それじゃお前らを元の場所に返すわけにはいかないな」
外人「おじさん、威勢がいいのは構いませんが、二人相手にどうするんですか?」
鯷球「まぁ順当に相手するしかねぇだろうな、残りの奴らは使い物にならねぇだろうし?」
外人「全く今どきにこんなものを使うなんてあなたは忍者かなんかですか?」
鯷球「人を騙すって意味なら昔忍者だったのかもしれねぇ」
外人「忍者外国人大好きですよ。あなたも忍者として売ればおじさんだろうと少しは値がつきそうだ」
鯷球「そうか?相場が気になるところだが、捕まってあげるほどお人好しでもないんでな」
外人「そうですか、残念です。男の死体を買い漁る人間は高値をつけてくれないのです」
鯷球「そうなんだな、それは残念だ。ここでお前らはお縄につくんだからな」
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