第15話 みんなでパーティー。そしてこれからの話。
私は塁と直人の表情を見てホッとする。
良かったね!塁。恋が実って。
親友の恋が成就したのを確認してから私は料理を始める。
リーノさんに手伝ってもらってから、料理を仕上げていく。
お魚がまだ見つけていないので、お肉がメインになってします。
牛肉に近いお肉はローストビーフに、豚肉に近いお肉は肉じゃがに、
鶏肉は唐揚げに、そう鶏肉は鶏肉としてきちんと存在しているのです!
あとは余ったポッテルでフライドポテトに、あとは近くの美味しいパン屋さんで
頼み込んで作ってもらったピザを食卓に並べていきます・・。
「うわあうまそう!!瑠花先輩の手作り料理・・。」
「味は保証しないよ!孝之君。料理だったら美恵ちゃんやみゆきちゃんの方が断然美味しいもん。」
私は涎を垂らしそうになってる孝之君に笑みを浮かべつつ、味は普通だと一応牽制する。見た目は美味しそうでも味は普通なんだよ。ごめん見た目詐欺で・・。
大地君はこそっとみゆきちゃんに耳打ちしてみゆきちゃんは軽くうなづいた。
二人仲いいなあ。
「「「「「「「いただきます!!」」」」」」」」
みんな思い思いご飯を食べながら、私がいなくなってからの2年を話していく。
私は私でここに来てからの話をしていく。そして私がここで過ごしてやりたいことを話していく。
ここのみんなならきっと最善を出してくれると信じてる。
スキルの話になった時にみんな爆笑したあと、スキルの凄さにみんな驚きの声をあげた!
「瑠花様。私たちは一旦あっちに戻りますが、孝雄様と淑子様にこのことをお伝えしてもよろしいでしょうか??孝雄様と淑子様をこちらへお連れしてもよろしいでしょうか??」
直人は守りびとモードのまま私に伺ってくる。
もちろん。お祖父様とお祖母様にお会いしたい!!
「連れてきて!!リーノさんにも合わせたいし。」
「それがいちばんの理由です。」
「そしてこれからはビジネスのはなるんだが」
直人がビジネスのはなしになった瞬間に空気が変わる。
上司モードの直人さんになる。
孝之も美恵もすぐさま表情が変わる。
「瑠花がこの世界で暮らすために、ここでセレクトショップを開くのとそのためニコの世界の文化を学びたいというのがわかった。」
私は直人さんをじっと見てうなづく。
「で、先ほどリーノさんが開くなら商会が必要だということも聞いた。
だが、瑠花は経営とか商売とかよくわからないだろ?」
そうだ・・。私はただ自分の夢があっても、商売とかそういうのがズブの素人でしかないし、お買い物をするというのは得意であっても、こういう商売ははっきり言ってよくわからない部分がある。
「だから、会長と会長夫人を連れてきてからの計画になるのだが、こちらの世界に、タカハシの人間を送り込もうと思う。その陣頭は私がやるつもりだ。瑠花はどう思う?」
私は二つ返事でうなづく。これ以上いいことなんてない。
直人さんは私を見て表情をまた守りびとモードになる。
「瑠花様がこの世界で暮らすため、多分一番いい道を探しました。
瑠花様のスキル、コレクション開放でしたっけ?それも半永久的に使えるかもしれませんが、ですがあくまでも仮定の話です。コレクション開放があるからこそ、この世界と現代日本がつながりました。そしてこれがなくなってしまったらまた瑠花様との接点がなくなってしまいます。ですから、このスキルが使えるうちに、瑠花様をサポートできる道筋を立てたかったのです。」
「よくわかったわ。ここまで考えてくれてありがとう。」
私のことを見てるみんなを見て微笑んだ。
「私もみんなと会えるのがこんなに嬉しいと思わなかった。
リーノさんと会えていなかったら、この世界で一人で生きていくと思っていたの。
最初は気が張っていたから、何も思わなかったけど・・。」
そう・・。私は知ってる。自分が本当は寂しがり屋だということを。
いや、寂しさに恐怖を感じてる。
根っこの部分で寂しさを一旦感じてしまったら飢えてるみたいに寂しさを無くしたい。人に依存するなり、モノに依存するなり。何らかの方法で寂しさを別の何かで上書きして消し去りたい。
お買い物が好きな理由も、お洋服が好きだというのももちろんあるけれども、一番の理由は寂しさを上書きしたいのだ。
幼い頃、父親も母親も私のことを必要最低限しか見てくれなかった。
10歳の時に、直人に出会い、類に出会い、大地君やみゆきちゃんに出会い、成人を迎えて初めてお祖父様とお祖母様に出会い、社会人になって孝之君や美恵ちゃんに出会った。そして、この世界に飛ばされて、リーノさんに出会った。
もし出会っていなかったら、きっと私は寂しさに押しつぶされて、今こうして立っているかも自信がない。それくらい私は寂しさを恐れている。
だから。こうしてまたみんなと再開してしまった以上、再会前に戻ることなんてできない。
「直人。明日お祖父様とお祖母様を連れてきてくれる?そしてさっきの件できるだけ早めに進めておいてね。そして、ここの時間の流れと現代日本の流れが違うのも加味してちょうだいね。」
「かしこまりました。瑠花様。」
私は直人を見てからリーノさんを見る。
リーノさんは何も言わずに今までの話を聞いていたけど実際にどう思うのだろう?
普段接点がない世界と世界が繋がってしまうこと。それはこの世界にとってどうなのだろう?
「リーノさん・・。私・・。」
リーノさんは私のことを見て優しく微笑む。
そして真剣な表情になって直人さんに言った。
「君たちがこの世界で商会を立ち上げるというなら私が喜んで後ろ盾になろう。
君たちの世界がどういう世界かわからないが、この世界は貴族が幅を利かせてる。
今までの話を聞く限り、ルカさんの家がこちらの世界でいう大商会のお孫さんだとしてどんなにお金を持っていても、貴族から見たら平民は平民なんだ。それくらい貴族と平民はしっかりと線引きがされている。だからここで商会を立ち上げるならある程度の上級貴族の後ろ盾があった方がいい。それなら私の家がうってつけだ。
そして私の家もこちらに噛んで旨みがある。だから私の家を利用してくれて構わない。」
リーノさんと直人は握手をしてお互いの肩を叩き合って、うなづきあった。
「いよっし!!さっさと帰りますか!!」
孝之君がいきなり大声上げた。
「はあ?なんであんたがしめるのよ!!」
「うるせえよ美恵。」
孝之君と美恵ちゃんがいつも通り言い争いという名のじゃれあいを始めてる。
「つーか。俺たち全然喋ってなかったね。みゆき。」
「うん。だって私今まで夢を見てるようでぼーっとしてた。」
「ああ俺も・・。でも夢じゃないんだよね。」
「そうね・・・。え?待って!!夢じゃなかったら私たち異世界に遊びにきていたこと??」
「そうだよ?みゆき!言ってるの??」
「うわあん。異世界の街並みを巡りたかった(泣)」
「多分近いうちにまた来れるよ。その時は街並みを瑠花さんと散歩しよう。」
「・・・・・うん。」
本当に大地君とみゆきちゃんは仲良いなあ・・。
「大地君。みゆきちゃん。この扉はしばらくここにおいとくから遊びにきていいからね。」
「はい!瑠花さん。また近いうちに遊びにきますー。」
「さあ・・。みんな帰るわよ!!帰り支度をして。帰ると言ってからしばらくいたら
瑠花もリーノさんも迷惑かけるでしょ?ここからもっと迷惑がかかるんだから、これ以上迷惑かけないの。」
塁は喋らないなあと思っていたら後片付けをしていたみたい。
「え?塁ごめん!!」
「何言ってるのよ。これくらい当たり前でしょ?また来るわね!その時は街を案内してよ。」
「うん。するする!!ここの街住むにはいいから。」
「ふーん。住むにはね・・。楽しみだわ!」
そうして、塁たち一向はど⚪︎でもドアを開けて帰って行った。
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