いけいけ勇者様37

最上司叉

第1話

そしてレア賞金首との決戦の日


俺たちはいつも通り朝ごはんを食べている。


いつもと違うことは誰1人口を開かなかったことだ。


生きて帰れるかも分からないからだ。


こんな勝負は生まれて初めてだ。


俺たち4人は朝ごはんを食べ終わり席を立つ。


皆黙ったままだ。


装備を整え外に出る。


すると魔法使いが何かを持って追ってきた。


「使わないことが1番だけどもしもの時は使って」


俺は中を確認する。


「!!ありがとう助かる」


「生きて帰ってきてよ」


「あぁ努力する」


「勇者には借りがいっぱいあるんだから」


「あぁそうだな」


そこへ女もやってきた。


「これ…」


「ありがとう」


「早くして欲しいの」


「今行く」


そして俺はドラゴンの女の背中に乗る。


ドラゴンの女が飛び立った。


2人は心配そうな顔をしていた。


盗人の姿は無かった。


まぁ良いかと思い決戦の地に向かった。


【ヒュー】


そこは何も無い草原だ。


「久しぶりじゃの」


「あぁアンタかい」


驚いたことにドラゴンの女とレア賞金首は知り合いらしい。


「お主を倒すなら弱っている今じゃと思うての」


「ほんと抜け目ない‪💢」


「ほっほっほっ」


「舐めないでよね、あんたらなんか本気だすまでも無いんだから」


「ゴクッ」


俺は緊張している。


相手が強すぎるからだ。


「大丈夫落ち着いて」


「魔王」


「皆いるから」


「あぁそうだな、ありがとう」


「魔王様この私めもいます」


「うん、頼りにしてる」


「はい!!」


魔王の婚約者は喜んでいる。


「何を喋ってるんだい?随分余裕だね」


ふと声がした方を見た瞬間俺は吹っ飛ばされていた。


しまった。


そう考えた時は遅かったがすぐに体勢を整える。


「ほらほら余所見してるんじゃないよ」


今度は魔王の婚約者に襲いかかっている。


「フゥ」


俺は呼吸を整えるとレア賞金首に切りかかった。


「遅いよ」


レア賞金首が目の前から消えた次の瞬間「後ろじゃ」というドラゴンの女の声が聞こえて慌てて後ろを振り返り剣を構えた瞬間剣に衝撃が走る。


「チッ目障りだね」


そこへ魔王の黒い光がレア賞金首に襲いかかる。


「厄介だね」


レア賞金首は攻撃をかわしていた。


「さすがに強いのう」


「褒めてくれてありがとう!!」


「!!」


そうレア賞金首が言った瞬間今まで立っていた場所からいなくなり次の瞬間魔王の腹を防御した腕ごと爪で刺していた。


「…!!」


「これで目障りなのがいなくなった、残ったのは3人」


俺は静かに怒っていた。


その時俺のなかのなにかが覚醒した。


「お喋りはそこまでだ」


俺はレア賞金首の後ろに立ち剣で切りつける。


レア賞金首は咄嗟に消えて後ろにさがる。


現れたレア賞金首の顔からツーと血が流れていた。


「!!この私によくも傷をつけたね」


魔王が倒れているところで魔王の婚約者が心配そうに見ている。


「黙れ」


【キーン】


剣と爪があたる音がする。


何が起こっているのか誰も分からない。


「この私が押されるなんて💦 」


「…」


勇者は無言で剣で切りつけ続ける。


隠れる場所がないとレア賞金首は慌てていた。


そして決着がついた。


最後は勇者がレア賞金首の腹を刺して終わった。


「この…わ…た…しが…」


「トドメじゃ!!」


【ザシュッ】


俺はレア賞金首にトドメを刺し魔王の所へ向かう。


魔王は心配そうに俺を見ている。


「大丈夫か魔王?」


「うん…」


「今薬を」


「あ…りが…と…う」


「飲めるか?」


「う…ん」


薬が効いて魔王の血がとまる。


「大丈夫…キズ…は浅い…から」


「…そうか」


「うん…」


「守れなくてごめんな」


「ううん…」


「家に帰ろう」


「うん…」


「頼む」


「分かっておる」


そして俺たち4人とレア賞金首の遺体を乗せて街に帰ってきた。


魔王は少しの攻撃ではキズをつけられない身体をしていたが今回のレア賞金首の攻撃力はそれを上回っていた。


もう誰にも魔王をキズつけさせないと俺は心に固く誓った。

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