第12話
家
お兄さんに言われたことは嬉しかった。
「それは、本当ですか?」
母親の話声が聞こえる。
それは教師が捕まったという内容だった。
ーーー
俺は校長室に呼び出された。
「ごめんなさい、ごめんなさい。」
その子は謝って来た。俺に叩かれたと嘘をついたクラスメイトだった。
「お母さんに言われて、それで、それで、」
その子、冬は俺に向かって本気で謝っている。
教師と、俺に嘘をついた冬ちゃんの母親はどうやら浮気相手だったようで、教師の頼みから俺を虐めの対象にして、クラスの問題を一転に集める作戦だったようだ。
後のお兄さん曰く、お父さんとお母さんの性格がクソほど生真面目だから責任感を感じやすいと思ったのであろう。
俺は今までを思い出す。この子せいで、俺は色んなことに傷ついた。
辛かったし、心も何度も折られそうになった。でも、俺にはお兄さんが居てくれ
「ごめんなさい」
お兄さんは言っていた。相手の痛みがわかる人になって欲しいと、そして今の地獄のような優にはそれが一番分かる筈だって、
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
冬はきっと俺と同じように両親に命令されて、
俺と同じだ。
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