今の君に必要なことは、現実逃避をすること。

今の君に必要なことは、現実逃避をすること。

さぁ、今日は頑張るって約束した日だよ。

覚えてるかな。

今日頑張れば、君の心のつかえが少しかもしれないけど、とれるはず。

現実と向き合いたくない？

まぁ、そうだよね。

しんどいもんね。

でも、俺を信じて。

我ながら、君にいい提案ができたなぁって自負してるの。

だって、今回の話は俺の専門じゃない。

その分野に詳しい先生に助けてもらわないとって思った。

今回、病気が発覚してから、君はずっと怖がっているよね。

ネットで調べる情報に振り回されて、恐怖は増すばかり。

わからないものや、知らないことに立ち向かうときって、怖いよね。

それは、先がよめないからだと思うんだ。

こういう手順でって説明があれば、きっと頑張れると思う。

あと、その先にある「わからないもの」について、闇雲（やみくも）に調べるだけじゃなくて

ちゃんと納得して、立ち向かっていく原動力にしてほしいの。

ごめん、ごめん。

ちょっと長くなっちゃったね。

一旦、この話終わりにしようか。

ん？　病気のこと、どうしても考えちゃう？

そうだよね。考えちゃうのはわかる。

でもね、俺は１日中考えてとも、何日間も考え続けてとも言っていない。

悩み続けてしまうのはわかるんだけど、メリハリをつけてほしいの。

そうじゃないと、君の心が壊れちゃう。

だから、次からはさ、俺が声をかけたときだけ頑張るっていうのはどうかな。

今から現実と向き合おうって君に伝えたときだけ、歯を食いしばる。

さっきみたいに、長くかからないようにする。

君に伝えなくちゃいけないことが沢山あるときには、時間を区切ったり工夫してみるよ。

現実と向き合っていない時間を、どうやって過ごすかがキーとなるかな。

自分の好きなことに没頭してほしい。

趣味は何かな。

好きな食べ物は何かな。

今、やりたいことはあるかな。

君がまだ小さかった頃、何の習い事をしてたかな。

その習い事を極めてみるのもよくない？

君の心が満たされるように、俺もお手伝いできることはさせてね。

これからのことを考えると、しんどいかもしれない。

難しいかもしれない。

時間がかかるかもしれない。

それでも俺は、君と一緒に乗り越えたい。

暫く、つらい日々が続いてしまうことになるかもしれないけど、俺はずっと君のそばにいる。