映画「HEAT」僕の好きな映画
最近、SNSのハッシュタグで「好きな映画を4つ並べたら(以下略」というのがあって、自分なりに4つ候補を挙げてみました。
・世界侵略:ロサンゼルス決戦
・ステルス
・SWAT
・アウトロー(原題:ジャック・リーチャー)
どれも本当に好きな映画です。
それぞれの映画を2時間ぐらい語るくらいには大好きです。
でも、本当に好きな映画はこの4つじゃないんです。
僕が本当に好きな映画、それは「HEAT」です。
1995年のクライムアクション映画。監督はマイケル・マン、主演はアル・パチーノとロバート・デ・ニーロ。
『ダウンタウンの銃撃戦』が有名な映画です。銀行強盗犯のロバート演じるニールを追い掛けるアル・パチーノのヴィンセント。熾烈な銃撃戦、銃弾の応酬、文字通り蜂の巣になるパトカー、逃げ惑う一般人、訓練された兵士と寸分違わぬ動きをする犯人達、押し込まれる弾倉、発射炎と銃声――
アクションは最高どころか、至高と言ってもいいクオリティ。
たくさん撃つ映画と言えば『シューテム・アップ』という作品もありますが、『HEAT』で描かれるのは本物の銃撃戦。賑やかなストリートは銃声と共に戦場へと変貌し、人々は逃げ惑う。
その様相は手に汗握るというよりも、極限の緊張感と思わず耳を塞ぎたくなる銃声によって息が詰まる想いをするはず。
ただ撃ちまくるだけなら、今の映画でもできるでしょう。
僕の中で『HEAT』がナンバーワンの映画であり続ける理由は、単に銃撃戦が激しいという理由ではありません。
この映画はロバート演じる「ニール」という悪党。アル・パチーノが演じる「ヴィンセント」という刑事。
2人の生き様と葛藤、その出逢いと衝突が描かれてるんです。
似た者同士のように見えて、正反対。
自分のスタイルとプライドに殉ずるほどの男っぷりを披露する2人が、最後の最後に決闘する。
このシーンも特に素晴らしい。
2023年でもガンアクションが素晴らしい映画はたくさんあります。
中でも「ジョン・ウィック」のようなカンフーとCARシステムという銃の構え方を組み合わせた『ガン・フー』で魅せてくれるアクションもありますし、タクティカルトレーニングや軍事監修のおかげで特殊部隊顔負けのかっこいい銃撃戦もあります。
でも、『HEAT』はそんな新しい映画には無い魅力があります。
それは激しいだけじゃないところです。
「ダウンタウンの銃撃戦」はタクティカルさと手際の良さ、追う者と追われる者の位置関係や市街地での銃撃戦のディテールを戦慄するほどに計算されて作り出された映像でした。
この激しさと苛烈さは、映画史に残る銃撃戦であることは疑いようもありません。
同時に、主人公2人が拳銃で決闘をするシーン。
薄暗い空港の敷地内、互いに身を潜めての銃撃戦は「ダウンタウンの銃撃戦」とは真逆の恐ろしいまでの静寂で展開されます。
「HEAT」という映画は一粒で二度美味しい。
1つの作品で「全く異なる銃撃戦」を描いた希有な作品だと、僕は思っています。
異論を唱える人もいるかとは思います。
でも、僕にとって「HEAT」という映画は忘れられないくらいに衝撃的で、鮮烈で、ドラマチックで、カッコイイ映画だったんです。
もちろん、全てとは言いませんが新しいアクション映画も観ています。
「イコライザー」みたいな、正しいことのために手を汚す大人という姿に感激したりもしますが、それでもやっぱり「HEAT」のドラマには届かないような気がしてしまいます。
それはきっと、僕がヴィンセントやニールのように「スタイル」というものを確立できてないからなのかもしれません。
いつか胸を張って、堂々と死ねるように生き抜きたい――と2人の背中を追い続けたいと思います。
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