Bar sharesへようこそ
@nariyo
第2話
今夜もご来店された。
私が気になる彼女たち。
いつも3人でご来店されるその人達は、いつも実に楽しい会話をしている。
ぜひその楽しさを私だけでなく皆さんへもお裾分けしよう。
「いやー今日も食べましたね。いいお肉様でしたー。えーっと、私はビールにします。ハートランド、ビンで。」
「美味しい熟成肉だったねぇ。もうツマミはいいかな。いや、ナッツくらいは頼むか…このナッツと白ワイン、ボトルで。」
「私もまたビールに戻ります〜黒で。あ、ピッツァマルゲリータとスパイスポテトもください。あと何か頼みます?」
黒髪セミロングのきつめ美女、ショートカットのかわいい姐御、ふんわりおだやか美人の三人三様の3人組は今日も楽しそうにお酒とつまみを選ぶ。
だんだん分かってきた。
姐御は辛口がお好みで白ワインが多い。あまりお腹にたまらないつまみを好んでいるようだ。おそらく日本酒もイケる口だろう。
黒髪の彼女はビールや意外にも甘めのカクテル、つまみにこだわりはないようで大体他の2人にオーダーを任せている。
ふわふわの茶髪の子は好き嫌いなくなんでも呑んでなんでも食べている。特にポテトとチーズの率が高い様だ。
さて、気になる話しの続きを聞いてみよう。
◆アレの形
「そういえば、この前旦那さんの体臭の話しあったじゃないですか〜」
「あったね。うちのダンナね。」
「うんうん」
「あの後私も旦那のいいところ探してみたんですよ」
「ほう。」
「見つけた?惚れなおした?」
「いやいや〜、ちょっと違うんですけど、最近ちょっと旦那すごいなと思ったことがあって」
「お、なに?」
「なになにー?」
「この前、息子に、あの、ここで言うのもなんなんですが、ちょっと前に流行ったドリルをね、欲しがったから渡したんですよ。」
「ドリル?」
「う◯こドリルって言う…」
「あー!うちも娘が欲しがって買ったよ。あれすごいよねー」
「え、なにそれ?」
「知らないですか?なんか、普通はお花が何本とか、ケーキが何個とか、例題の文章があるじゃないですか。小学生のドリルって。それに全部う◯こが出てくるんです。」
「は?」
「大人は、くだらないなーと思うんですけど、子どもには大ウケで。例題が面白くて勉強しちゃってくれるんですよー」
「そうそう、そうなんです。うちも話題になってた時に長女が面白がって買って。その後流行りが去ってから放置してたのを長男が見つけて最近リバイバルでまためっちゃハマってるんですよ〜」
「ドリルのおさがりか。」
「そこで新しいの買ってって言わないあたりユイちゃんの長男くんかわいいねー」
「あぁそうですね〜買ってとは言わなかったですね〜。」
「え、もしかしてそのドリルにユイ旦那さんもハマってるとか?勉強してるの見てステキってこと?」
「違います違います。もしそうならバカだなぁ〜で終わりです。」
「大人でう◯こでよろこんでるのはちょっと付き合ってられないよね。」
「はい〜。で、息子が突然、『ねえママ、う◯ちがなんでこの形なの?』って言うんですよ。『ぼくこんな形のしたことないよ』って」
「え、」
「あー!そういえば。言われてみると確かに。なんであんな形なんだろ」
「ギャグマンガとかも昔からあの形ですもんねぇ。
で、ちょっと私も分からなかったので、昔の和式トイレならできるのかもとか、今度微妙にお尻を動かしてみたら?とか思いついた可能性を子どもと挙げてたんです。」
「そうだよねー、あの形で出てくる訳じゃないんだから、あの形になるにはソフトクリームと同じで巻くしかないよね。
でもそんな巻くほど長くは人間にはムリじゃない?出来るの金魚くらいじゃない?
人類は健康だとバナナ形でしょ?ウサギみたいなのは水分が足りてなくて良くないとか言うし。」
「いや…」
「あ、もしかしてユリさんはもう分かっちゃってました〜?」
「え、どういうことですか?」
「…その形はね、お腹が弱いひとは知っていることよ」
「?」
「はい〜。そうらしいですね。旦那も言ってました。
あ、アヤさんはまだ分かってない?」
「うん…分かんない。お尻回しながらするとか?さっき言ってたお尻の自由度が高い和式トイレでも無理よね。え、お腹が弱い?」
「いやいや、お尻の自由度ってなんですか。うける。まあ、こんな話し長引かせてもしょうがないので、もう答え言っちゃいますね〜。
ちょっと緩め?水っぽいのの手前だと、あの形になるんだそうですよ。
普通にしただけで。」
「は?え、普通に?あの形になるの?」
「そうです〜、特になにか努力しなくても。」
「あのさ、割り込んでごめんね、生クリームをさ、泡立てるでしょ?
ツノが立つまで泡立ててホイップクリームにしたら絞り出せてデコレーション出来るでしょ?それがバナナよ。
その手前の、ちょっと緩めの七部か八部立ての状態でさ、まっすぐ上から3回くらい落とすとさ…こう…」
「…あぁ!分かりました!一定じゃなくて波状攻撃みたいなことですね?一段目の上に二段めが!」
「アヤさん、声大きい〜」
「いや、これすごい気付きだよ?アハ体験だよ?さすがユリさん!」
「いや…多分人類の半分は分かってることだよ…」
「奇しくもここでお互いのお腹のタイプが分かってしまいましたね〜」
「あー確かに。私便秘タイプ。お腹壊れるときは即水」
「私もそんな感じです〜」
「私は調子よくても八部立て」
「は、ち、ぶ」
「生クリームやめてください〜」
「で、今の話しのどこらへんが旦那さんがカッコ良かったに繋がるの?」
「アヤさんアヤさん、今ユリさんの事、ちょっとカッコ良く見えません?」
「…すごい分かる。知らなかった世界を垣間見せてもらった感じ。」
「それです〜。」
「それかよ」
第2話 シェア完了。
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