妖怪上京伝記

夜桜殺希

第1話    「妖怪〖東京〗に上京」

 河童は、昔からいる妖怪。川や海辺によくおり、人にいたずらするのが大好き。だが、最近は、暇なので上京しようと思い、東京に行った。田舎では見ないものを見て

驚き開いた口が塞がらなかった。

 電車というものに乗って酔ったり、エスカレーターに乗って驚いたり、こんなところで生活するとなると、頭が痛くなる。でも、皆楽しそうにしているから、きっと慣れれば楽しいのだろう。今度、仲間も連れて一緒に来よう。その時だった。誰かに後ろから肩を叩かれ声をかけられた。振り向くと、そこには・・・

「えっ?九尾先輩!?どうしてここに。」

「久しぶり、河童くん。」

「お久しぶりです。」

九尾先輩が立っていた。

「なんで、河童くんが私の会社の前にいるの?」

「えっ?どこに会社があるのですか?」

「ここ。」

と指をさした方向を見ると、目の前に大きなビルがあった。

「ここで、働いているのか。いいな~」

あっ、思わず口に出してしまった。

「じゃ、うちの会社来る?」

「えっ?でも、僕こんな格好だし、まだ許可も得ていないので・・・」

「別に大丈夫。私に任せなさい。社長に許可得るから。」

「わかりました。」

と先輩の後をついていき、ビルの中に入ったが、少し気まずい部分もある。

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