第16話 如月篇 『星辰の鎖』

海面は時折荒れ狂い、時折穏やかで靜かに広がり、川の水はそよそよと流れ、清らかで傷一つない川の水が大海に合流します。


海は生命力に満ちています。


それに対して、遠くには極寒で厳しい場所があり、凍りついていて、生命力がないように見えますが、実際はそうではありません。


伝説によれば、この山には一種の花が生えていると言われています。


それは氷のように冷たく、骨まで凍りつくような美しさで、花びらは雪のように白く透き通っています。


その清らかさは非常に魅力的で、この奇妙な貴重な花は人間界では誰も知らないのですが、今、年姫は手にして眺めています。


この雪蓮の名前は如月雪蓮といい、如月から贈られた芸術品です。


年姫は生前、如月から贈られた花が大好きで、よく取り出して鑑賞し、大切に保管していました。


今では如月は如月の天に殘されており、空っぽの年姫の屋敷で、自分の部屋に置かれたこの花を見ながら、當時如月雪蓮を鑑賞していた年沁を懐かしく思っています。


數日後、自分が年月天を守る番になります。


自分専用の如月の日、2月になります。


如月は年月天に會うことをとても楽しみにしています。


如月は自分の兄である睦月がついに年姫の受け継ぎの遺物である星辰の鎖を年月天に渡したことを考えながら、期待に胸を膨らませています。


この世代は他とは異なり、星辰の鎖を白貓の鎖に変え、年姫の修練の力を蓄えたのです。


歴代の年姫は12月天に後任に引き継ぐ前に、自らの失われゆく霊力を星辰の鎖にしっかりと蓄えます。


これは時が熟した際に次代の12月天の印記を受け継ぐ者である年姫が使用するためです。しかし、今代の年姫は他とは異なり、真の姿を隠すために白貓の鎖に秘められています。


如月は思います。


修練中の年月天はどのような姿をしているのだろうか。


睦月の兄がよく伝えてきた情報を聞いてはいるものの、実際には見たことがありません。それゆえ、如月は非常に好奇心を抱いています。


風澪と雪澪、そして如月の門下生である冰祁仙霊と霜祁仙霊から伝えられた情報によると、年月天の才能は年沁をも凌駕すると言われています。


さらに、年沁よりもいくらか優れているとも言われています。


如月はもし本當ならば、それは素晴らしいことだと思いします。


凍りついた土地や寒い場所を回復し、如月の天や人間界の気候を正常に戻すことができるでしょう。


如月は望みが葉うことを願っています。

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