十二月天物語

第10話 記念、メモリアル

陽光が降り注ぎ、そよ風が軽く吹き、年月天は満足そうに家に帰る道を歩いていました。

小さな可愛い貓も一緒に鳴いています。

「ただいま。」

年月天はいつものように明るく、陽気な笑顔で言いました。

そして小さな貓が寄り添ってくるのを待たずに、手に持っていたものを置く前に、睦月が彼の前に現れました。

どうやら今日は年月天がお土産やおやつを家族からもらって帰った日のようです。

少し前のことです。

睦月は扇子を手に取り、何度も開閉させながら、手で叩いたり首元にあてたりしながら考えていました。

年月天が帰ってきたら、どうやってこのことを話すべきか、彼の幼い心に大きな傷やショックを與えてしまうのではないか、あるいは突然すぎるのではないか、睦月は考え込んでいました。もう一方の手で、年沁が亡くなる前に彼に渡したネックレスを手に取りながら見つめていました。

それは貓のデザインがあしらわれた銀のペンダントで、本來は年月天の7歳の誕生日プレゼントとして年沁が贈る予定だったものですが、殘念ながら彼が亡くなる前に渡すことができませんでした。

今回の機會を利用して、睦月は彼のために贈ることにし、年月天が成長の始まりとしています。

年月天は真剣な表情で何を考えているのかわからないまま、言いました。

「どうしたの？なんでそんな真剣な顔してるの？睦...月？」

年月天は幼くてかわいらしい笑顔で優しく尋ねました。

この時の年月天は確かに年沁に似た表情をしていました。

睦月はようやく気づき、年月天に向かって言いました。

「持って...持っていって。」

彼女が手に持っていたのは特別な思い出のある銀の貓のペンダントでした。

年月天は睦月の手に握られたネックレスを見つめ、目が一瞬にして熱い輝きを放ちました。

當然のことながら、彼は地面を這いつくばっていた時から貓が大好きで、特にこのペンダントはとても可愛らしい貓の形をしていました。

彼は待ちきれずに睦月からそれを受け取りましたが、自分では付けることができませんでした。

睦月がその様子を見て、彼の後ろに回り、手助けしてペンダントを付けてあげました。

「私に送ってくれたネックレス、ありがとう。とても好きだよ。」

まだ睦月が言葉を口にする前に、年月天は彼女が買ってくれたと思い込んでしまいました。

彼の頭の中では睦月が買ったものだとしか考えられませんでした。

自分の母親が贈ったとは思いもよりませんでした。

ペンダントを付けた後、睦月はためらいながら何か言おうとしていますが、共感力の高い年月天は一目で見抜きました。

睦月に何か悩みがあるようです。彼はそっと尋ねました。「どうしたの？どうしたの？」

「明日の早朝、あなたを連れて行く場所があるの。」睦月は真剣な口調で言いました。

年月天は疑問に満ちた表情で睦月を見つめ、「どこに行くの？」と笑顔で尋ねました。

「明日...わかるよ。今日は早めに...寢て。」睦月は驚くほどスムーズに話しました。

年月天は興味津々ですが、睦月がそんなに強く言うので、我慢して明日を待つことにしました。

睦月はついに口に出し、心の大きな石がついに取れたような気持ちになり、扇子で風を扇ぎながら、心地よさを感じていました。