補遺5 この世界の歴史について

 この世界の歴史は静的現実のルールを逃れない。

 大衆の認知する歴史が、正しかった歴史として現実に反映され歴史的証拠の単位で歪む。

 即ち証拠は常に捏造され続ける。


 古く——正しい歴史を保管しうる文字とは特異点の領分であった。この文字で記された歴史は大衆の認知の影響を免れるまぬがれるが、これを保有する機関は少なく、その意味を解する者も多くはない。

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