11/28 かわたれどき

なぜか眠れなくて、目覚まし時計よりも早く目が覚めてしまった。

彼は誰時とでもいうのだろうか、外はほのかに薄暗い。

俺は荷物をまとめ、部屋を出た。


彼女の狂気を見つけ、暴いた以上、この町にいる理由はない。

変に探られないうちに夜逃げでもするように、静かに階段を下りた。

誰も知らない場所へ行って、新しい生活を始めることができる。


長い夜だった。首塚に特攻をかまして、彼女は捕まり、生首たちは解放された。

少しずつ穏やかな生活が戻りつつある。

俺も現実に戻り、平穏な日々を過ごせている。


故郷は遠く、もう戻れない。


庭で見た椿の花は今も咲いているだろうか。

真っ赤で大きな花が美しい椿の木、花が枯れたら無残な姿になっていた。

それを彼女は覚えていたのだろうか。部屋に椿の花はなかった。


あの生首たちは安らかに眠れているだろうか。

そうだ、ようやく眠ることができたんだ。静かに眠っているだろう。




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