未来
恒星間航行中の宇宙船内に生まれ、次の世代に命を託すだけ
遠い未来に生まれ変わりたい。
そう願っていた私が生まれたのは、地球からはるか数百光年離れたとある星系を目指して航行を続ける宇宙船の中だった。
目的の星系を遠くから望遠鏡で眺めながら暇をつぶす毎日。まだまだ全くたどり着きそうになく、確実に私の寿命が尽きる方が先だった。
私の役割は、この宇宙船内の機械に異常がないかをチェックして、ただ次の世代に命をつなぐことだけ。
そして、生命維持装置をいくつも用意すると膨大なエネルギーを消費してしまうため他の船員はおらず、話し相手は船に搭載された人工知能のみ。
この恐ろしく広い宇宙で、私は本当にたった一人きりだ。
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