真っ白。

 目がさめると、地平線までひたすら真っ白い世界が続いていた。

 山も川も海も何もなくただ真っ平らで、空には太陽も月も星もない。

 そして人はおろか生物の影もない。

 気温は暑くも寒くもないし、空気がないわけでもない。

 それでも無性に息苦しくなって、私は辺りを何時間も走り回った。

 誰かに届くわけでもないのに、大声で叫んでもみた。

 私はこの広大な「無」の世界の中で、本当にたった一人きりらしい。

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