生活文化の差が大きすぎる

公共の場でカツサンドを食べた結果逮捕&投獄

 わたしがその異世界いせかい(というかパラレルワールド)に転移てんいしたとき、ちょうどそのくにこよみたり、習慣的しゅうかんてき肉食にくしょくつつしむことが推奨すいしょうされていた。

 しかし、そんなことはるはずもないわたし日本にほんからってきた最後さいご食料しょくりょう、カツサンドのつつみをけてしまった。よりにもよって菜食者さいしょくしゃまえで。

 精進期間中しょうじんきかんちゅう公共こうきょう獣肉じゅうにく臭気しゅうき発生はっせいさせることは、日本にほんでいう猥褻物陳列罪わいせつぶつちんれつざい程度ていど軽犯罪けいはんざいでしかない。しかしわたしのこの軽率けいそつ行動こうどう菜食者さいしょくしゃたちをかなりおこらせてしまったようで、わたしかれらとなぐいの喧嘩けんかになった挙句、警察けいさつつかまって投獄とうごくされた。そして、このとき様子ようす動画どうがられ、SNSで拡散かくさんされてしまった。

 おなころおな国内こくない日常的にちじょうてき肉食にくしょくおこな少数民族しょうすうみんぞくがこの動画どうがいかくるい、「この逮捕たいほ不当ふとうである」として当局とうきょく抗議こうぎデモをこした。このくにではマジョリティの菜食者さいしょくしゃとマイノリティの肉食者にくしょくしゃたちのあいだながらく人種じんしゅ民族対立みんぞくたいりつつづいており、菜食者さいしょくしゃまえにくべたわたし肉食者にくしょくしゃたちのあいだ英雄えいゆうとして賞賛しょうさんされた。

 こうして、わたし公共こうきょうでカツサンドをべただけで民族感情みんぞくかんじょう刺激しげきしてしまい、テロや暴動ぼうどう相次あいつぐようになった。

 やがてそれらが本格的ほんかくてき内乱ないらん発展はってんするなかで、わたし反乱軍はんらんぐん象徴しょうちょうとしてかつげられていくこととなる。

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