篭の鳥
梶浦ラッと
-原典版-
或る鳩は嘆いていた。「私は囚われの身だ」と。
その鳩は篭の中にいた。
蓋はされていない、いたってありふれた篭だ。
しかしその白い鳩は上の空へ飛び立てはできなかった。
なぜかというに、その鳩は自由を知らなかったから。
なぜかというに、その鳩は見下すことしか知らなかったから。
篭の鳥 梶浦ラッと @Latto
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