私が耳障りな音を、旦那が平気でする事が私は気に入らない!

神石水亞宮類

第1話 私が耳障りな音を、旦那が平気でする事が私は気に入らない!




私の旦那は、私が耳障りな音を平気で出す。

どんな音かと言うと? 食べてる時にクチャクチャする音や

寝てる時の歯ぎしりの音、後は首の骨を鳴らす時の音など......。

日常生活の中でしょっちゅう旦那は鳴らすのだ!

初めは気にもしなかった音が、時間と共に耳障りな音に変わっていく。

きっと旦那への気持ちが冷めているからだろうと思う。

付き合った時は、“なんてステキな男性なのだろう”と

私は彼にときめいていたのが、【結婚】した事によって彼から夫に変り

夫婦生活をする中で、お互いなあなあになっている事に気づく。

気を遣わず生理現象も相手が居てもするようになった。

オナラも最初は、彼の前でする事に私も躊躇っていた時もあったが、

今では横に旦那が居ても私は平気でオナラをするようになったし。

旦那も私が居る前で、オナラをした事はなかったのが私の顔の前で

お尻を向けてオナラをしてくるときもたまにあるのだ!



『あのさ~人の顔の前でオナラしないでくれる!』

『はぁ!? 臭かったか?』

『臭いに決まってるじゃない!』

『アハハ~でもさ! 先、凄い顔してたよな~!』

『そりゃ~臭いんだからそういう顔もするでしょ!』

『昨日、ニンニク食べたから余計臭いよな~』

『“あのさ、話変わるけど? 本当にアンタの出す音が耳障りなのよ!”』

『えぇ!?』

『もうそろそろ私、限界かもしれない!』

『嘘だろう!』

『本当よ!』

『“このままだったら? 別れてもらうしかないんだけどさ。”』

『俺は別れる気なんて全くないよ!』

『“治せるの?』

『・・・な、なにを?』

『食べてる時にクチャクチャする音や歯ぎしり、首の骨鳴らす時の

音とか私、本当にダメなのよ!』

『そんなの、どうやって治すんだ?』

『“病院でも行きなさいよ!”』

『びょ、病院て! それなら、努力するから少しは許してくれよ!』

『絶対に無理! 病院に行って!』

『い、いやだよ~病院なんて、俺は無理!』

『“じゃあ、どうする気よ?”』

『・・・取りあえず、自分で治すようにするから!』

『無理だと思うけどね。』

『よく俺を見てろよ!』

『期待してないけど、まあいいわ!』

『“ぎゃふん”と言わせてやるよ!』

『ふーん、頑張ってみてよ』

『・・・・・・』




・・・私は完全に旦那を信用してなかった。

治せる訳がないし、直ぐに諦めてしまうのだろうと思っていたの!



でも? 旦那は少しづつ私の目障りだった音を出さなくなっていく。

相当、努力しているのかな?

口に何か食べている時も、クチャクチャしなくなったし。

歯ぎしりは正直、治しようがないと思っていたが病院に行っているらしく

歯ぎしりもほぼしなくなった。

後、首の骨の音を鳴らす事も私が居る時はしなくなったし。

どうせ、“3日坊主”で終わると思っていた事が3カ月経った今でも

まだ続いている。



たまに気が緩むと? 私の耳触りな音を出す時もあるけど、

それ以外はほとんど治っていると言えるまでになったわ!



『どうだよ! 俺がお前に耳障りな音出さなくなっただろう。』

『・・・う、うん、凄いじゃん!』

『“頑張って治したんだ。”』

『私の為に、頑張ってくれたんだ!』

『“・・・まあ、別れたくないからさ。』

『嬉しい! 凄く頑張ったね!』

『これからも、ずっと俺と一緒に居てくれるか?』

『・・・ううん。』




今はなんだかんだと言って、私は旦那と上手くいっている。

“夫婦”って不思議なモノだな?

あんなに耳障りだった旦那から出される音が、今では恋しいと

想えている。


それと? たまにあの懐かしいあの音が、たまには聞きたいと

思っている私っておかしいですか?

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私が耳障りな音を、旦那が平気でする事が私は気に入らない! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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