天地少女

メガゴールド

第1話  悪い奴はぶっ飛ばすの精神

 どうもこんにちは。

 アタシ、姫宮柚葉ひめみやゆずは。中学生。


 背丈は同年代より少し大きめ、容姿は結構いい線いってる可愛さ。胸もまああるほうで、スタイルはいいと自負してるよ。

 そんで、真っ赤かの髪の色したロングヘアー。


 それがアタシでーす。

 髪は切りたいんだけど、ちょっと野蛮な性格なもので、女の子らしさ出すために仕方なくロングにしてるだけなんだけどね。


 そんなアタシなんだけど、実は普通の人には扱えない力、魔力の使い手なんだよ。この事は秘密なんだよ?


 使えるようになったきっかけ?


 うーん確か、いじめられッ子助けようとした時だったかな?あまりにも野蛮な不良だったんだけど、無我夢中で殴りかかったら相手吹っ飛んでさ、あちこち骨折の大惨事。


 でもたかが中学生の女の子の攻撃でそんなになるとか先生達も信じなくてさ、アタシは罪に問われなかったんだよ。ラッキー。


 そんで調べたらさ、アタシの家系って、そういう魔力の高い血筋?だったらしくて〜両親に教えてもらったんだよ。


 それ聞いたアタシはウキウキになったの。

 だって普通の人にはない力だよ!?アタシすげえってなるでしょ?


 そんでもって正義感の塊たるアタシは、小さな世直しでもしようかと思い立ったんだ。


 この力さえあれば、ヤクザだろうが銃持った相手だろうが怖くないんだもん。両親には止められたけどねえ。


 そんで、治安悪そうなところに出向いては、カツアゲとかしてる奴シバいたり、悪党退治してるんだよ。


 …ただ、この日は……



 ◇



 いつも通りアタシは悪党退治をしようと、路地裏に入り込んでいたんだけど……

 薄暗い細道に、人の影。


 そっと近づくと、なにやらごそごそと漁ってるような音。

 でもガラクタとかの固そうな音ではなく、なにやら柔らかいもの?みたいな音だ。


 んんん?


 さらに近づくと……


 うげっ!?


 死体のはらわたえぐってごそごそしてる!?気持ち悪!なんなのこいつ!?


 その気持ち悪さに思わず後退りしたらつい、小石を蹴飛ばしちゃうアタシ。

 その音でごそごそしてる人物が振り向く。


 うげっ!?(二回目)

 口が裂けて、歯が肉食動物みたいに鋭い!?目も白目が黒いし、体格も……よく見れば3メートルはある!?


 ば、化け物じゃん!?


 でもアタシはここで冷静になるよ。

 …うん。魔力みたいな特殊な力があるんだ。こんな化け物がいるのも当然。

 そもそも魔界っていう異世界があると両親にも聞いてたし。

 うんうん。つまりこいつは魔界の住人なんだ。魔族?ってやつだようん。


 さすがアタシ。普通なら慌てふためいて失禁の一つしかねないところを冷静に対処してみせたよ。

 これは英雄の器ってやつだと思うよ。


 …なんて考えこんでたのが運のつき、一人うんうんしてたら……化け物の先制攻撃が来ていた!


 うげっ!?(三回目)


 ま、まずい……

 化け物の手は鋭い爪、こんなもんで引き裂かれたら……一貫の、


 下手すれば走馬灯でも浮かびそうなピンチだったんだけど、急に化け物が縦に割れた。


 本当に急だよ。悲鳴とかあげる暇もないくらい一瞬だったし。


 二つに裂けた化け物からは、血が噴水みたいに吹き出す……

 オエッ。わりとこういうのに耐性あると思ってたけどさすがにね。


『大丈夫か?怪我とかないか?』


 崩れた化け物の背後に人の姿が。

 おそらくこの人が助けてくれたんだろうね。

 長い剣持ってるし、これでかっこよく切り裂いたんだろう。


 た、助かった~。


 お礼言わなきゃね。



 …………


 アタシを助けてくれた人物、それは……


 顔の見えない仮面にヒーロースーツみたいなものを装着した、特撮ヒーローだった。


 …え?



 つづく。


 次回、特撮ヒーロー的な精神。


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