きみを見る視線を外す無月なり

※きみをみる しせんをはずす むげつなり


「見えなくなっちゃったね、お月様」

「ね、せっかくの満月だったのに」


「曇りだから、また見えるかな」

「そうだね、また見たいなあ」


ごめんなさい、まん丸のお月様。


僕が見たいのは、中秋の名月を見上げるこの人の横顔なんです。


だから、お願いします。


また、その黄色い姿を見せて下さい。


※無月は月が隠れている様子です。


きみ、に 君と黄身 を掛けております。


大好きな君が、黄色い黄身のようなお月様を見ている時。


僕は、そんな君の横顔を見つめているのです。


でも、お月様が見えない時は、君への視線も外さないといけないのです。


今は、まだ。

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