第22話 再生と破壊
「目を食べるって……一体、何が目的で……」
「私も分からない。でも、それをした事実がある。それで十分だ。」
親の目を食べる。そこに一体何が存在するんだろうか。
俺は考えるのをやめた。
「とりあえず、今日も行くぞ。」
「ええ。そのつもり」
机に置いてある冷めたコーヒーを一気に飲み干し、事務所を出た。
事務所を出て寂れたビル街を抜けると、人気のある道に出る。
そこには色々な人がいるが、神化世界に入り込んでしまっている人は見当たらない。見当たらない方が良いことなのだが。
しばらく歩き続けて、榊が口を開いた。
「今日のところは、もう帰りましょ」
「そうだな。この様子じゃ、神化世界に入っちゃったような奴はいなさそうだしな」
榊と同意見だった俺はすぐに賛成した。この後探したとしても、きっと散歩になるだけだ。
「それじゃ、また明日よろしく」
「分かった。気をつけて」
短く言葉を交わし、それぞれ別の方向へと歩いて行く。
気づけば自宅前まで来ていた。
ガチャ
「……ただいま」
家に着き、そのまま自分の部屋へ向かう。そしてそのままベットにダイブし、少し考えていた。
何か榊には、俺に伝えていないことがあるのではないか?そもそもなぜ神化世界は発生したんだ?
気づけば俺は自分のスマートフォンを取り出し、少しずつ調べていくことにした。
しかし、どう調べて良いか。神化世界と打っても出てくるのはあるスマホゲームの攻略情報や、お門違いの情報だった。
「ん~でねぇ……」
結局分からずじまいのままスマホを閉じ、眠りにつくことにした。
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