第3話 自転車

帰りのあいさつで、学校の先生が言った。


「秋になって、暗くなるのが早くなったから

気をつけてくださいね」


「はーい」とみんなが言う。


やえちゃんは、家に帰ってくると

ランドセルを置いて庭に出ていった。


兄のあきとくんはリビングに座っていて

ふと、庭を見ると妹が自転車をさわっていた。


「何やってんだ、あいつ」


夜になり、兄が部屋からリビングにくると

庭で何かがピカピカと点滅しているのが見えた。


「ん? 何だろう。見に行ってみよう」

「あたしもいく」


2人で庭に出た。


「うわ、ボクの自転車が!」

「暗いとあぶないって言ってた」

「これ、クリスマスの電飾じゃないか」


「ここ押して」

兄がボタンを押すと、クリスマスの明るい音楽が流れ始めた…


「いいでしょ」

「よくないよ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る