平安女子の✨秋の✨短歌

カワセミ

第1話

ある人、御簾みす上げたれば、あきつの入り寄りたるを見て、よみける


あきつとて 群れ寄せたれば 臀呫となめすも 我が恋ふ人ぞ いづくにぞあらむ


 ◇


「ちょ、ちょ、ちょい! あんた、なんて歌詠むのよ!」

「だってぇ、皆、恋人いるのにさぁ。私もえっちし……っ(もがもが)」

「その話はあとで聞くからっ、宮様の御前ではやめなさい」

「てもさ、私だけさ……」

「わかった! 今度、合コンセッティングする」

「やった! 絶対よ!」

「……」


 ◇


――――

あきつ:トンボ

臀呫:トンボの雌雄が交尾して、互いに尾をくわえ合い、輪になって飛ぶこと

出典:あなにや、国を獲つること。内木綿(うつゆう/「さ」にかかる)のまさき国といえども、なお蜻蛉(あきつ)の臀呫(となめ)せる如くあるかな

●やったぜ、いい国ゲットしたわ。いいねぇ、狭いけど。なんか蜻蛉が交尾してる形に似てるわぁ。

(日本書紀 巻第三 神武天皇)


✽合コンって、既に死語だったりするんでしょうか?

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