新話 異世界ゴジ〇Ⅱ

 GⅡ。

 ガメ〇Ⅱじゃないのよ。


 あたしは気がついた。

 あれ?

 どうなった? ここは?

 またあの穴に落ちたのか?

 顔をあげると、いつものコンビニがある街角が見えた。

 ああ、あれ? 戻ってきた?

 それともあれは夢だったの?

 動こうとした。

 カサカサと音がした。


 そのあと、たいへんなことになった。

 まわりの人間たちが逃げまどうわ、警察がくるわ。

 そりゃそうだ。五〇メートルくらいあるGが現れたら、そりゃリアルに怪獣だわ。

 わたしはまたヒステリーになって、叫びまくっていて。

 そうこうするうち、自衛隊もきて。

 殺虫剤とか撒かれて。

 ヤバい! 怖い! 死ぬ! 殺される!

 逃げた。

 逃げるしかなかったが、どこへ逃げればいいのよ!

 とにかく、逃げてた。 泣いてた。

 ちくしょう! こんなのムリよ!

 そうだ、タエは?

 こんなことになったのも、あいつのせいだ!

 そうだ、そうなのよ、そうよ、あいつさえいなきゃ、こんなことには!

 なんであいつが! くそっ! あいつだけは許さない!

 あたしのからだがこうなったのが、あいつのせいじゃない? そんなことはどうでもいいのよ! あたしの気がおさまらないのよ! だからそれでいいのよ!

 そうでもしなきゃ、Gなんてやってられないのよ! え、Gでやってくの?

 コロス!

 絶対コロス! コロしてやる! 息の音をとめてやる!


 GⅡ?

 ゴジ〇Ⅱにはさせないのよ!

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