パパ活オッサン撲滅記

幕間

「昔々、この村には、不思議な人が住んでいました。その人は年を取らず、いつまでも美しい姿のままでした。

　その人の家には、いろんな葉っぱや動物の体、大きな鍋があったこと、その人がいつも物語の魔女みたいな格好をしていたことから、村の人からは魔女さん。と呼ばれていました。

　魔女さんは村の人の病気を薬で治したり、お願いを不思議な力で叶えたりしてくれるとてもやさしい方でした。」

母親が子供に聞かせているのは、村に伝わる一つの伝承。

遠い昔にこの村に住んでいたとされる、「魔女さん」の話。

「魔女さんの作る薬はどんな病気でも、怪我でも直してしまう優れもの。

病気になっても、魔女さんに薬をもらって飲めばたちまち元気になります。

しかし、魔女さんは、いつの間にか村からいなくなってしまったのです。」

「なんでなの？お母さん。まじょさんに、いやなことをしちゃったの？」

「いいえ。何故かはわかっていないの。

ある日突然、都会のほうへ行く。という書置きを置いて、出て行ってしまったと伝えられているわ。」

─「子供に聞かせたい物語　伝承編　読み聞かせ例より抜粋─