探偵社の1日。

美澪久瑠

平和な日々

「あーもう!起きてください太宰さん!!!」

「むにゃぁ…」

僕の名前は『中島敦』横浜にある『武装探偵社』で働いている。

白髪に左斜めに切られた前髪。左もみあげだけ長い。左右対称じゃない、特徴的な髪型をした青年だ。

「敦く〜ん…むにゃ…」

ソファの上で寝言を言っている男の人は『太宰治』僕と同じで『武装探偵社』の社員。

黒いぼさぼさの蓬髪、茶色の目が特徴の整った顔の青年。一応敦の上司なのだが…

趣味は自殺でいつも社員に迷惑をかけている。

胸元にある青い宝石がキラリと輝いた。

「もーう!寝言を言わないで早く書類仕事をしてください!!国木田さんに怒られますよ!?」

「いいのいいの!くにきーだくんにはもう怒られ慣れてるから☆」

「ドヤ顔で言わないでください!」

「だぁぁぁざぁぁぁいぃぃぃ!!!」

不意に大声が聞こえた。

「この声は…。」

「くにきーだくん!」

「ここにおったか太宰!!さっさとこの書類を片付けろ!!」

いま大声を上げたのは『国木田独歩』金髪で一房だけ伸ばした髪が特徴的な高身長の青年だ。

チャキっと眼鏡を指で押し上げて云う。

「くっそ…年中自殺だ心中だ。さらには書類仕事もしない。お前のいいところなど1つもない!」

「うっ酷いよぉくにきーだくん!」

そう云うと太宰さんは国木田さんの胴にしがみつく。

「げっ気色悪い!さっさと離れろわかめ脳!!」

「国木田くん…最近口悪くなった?」

「お前のせいだ!!」

ポキっとなにかが折れるような音がした。まるで骨が折れるような…

そのことに気づいた瞬間…

「グハァ…腕の骨折れたぁ…」

「だ、だだだだ大丈夫ですか!?太宰さん!!」

「…日頃の行いだな。」

「うん。大丈夫だよ敦くん。こういうことは探偵社では日常茶飯事でしょ☆」

太宰さんの言う通り。探偵社では軍警でも手に負えないほどの荒事を解決する仕事をしている。

本当に少数派だが、この世界には「異能力」を持つものがいる。

無論探偵社員はほとんど何かしらの能力を持っている。

僕の場合「月下獣」自分の体の一部を虎に変身させる。という戦闘系の能力だ。

太宰さんは「人間失格」異能力無効化。

国木田さんは「独歩吟客」手帳サイズのものなら何でも出せる。

まぁ…メタいことを云うけどここではそんなバトルとかは無いから特に必要ないけどね。

「ま、まぁ…骨が折れることはよくありますけど…。」

太宰さんはニコッと笑うと国木田さんとぎゃーぎゃー騒ぎ出した。

平和な時間が続けばいいのに。こういう会話が一生続けばいいのに。

そんな願いを書き綴った僕の日記です。

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