三つ子たちの日常

チルカワ桜那(ちるかわさくな)

学校へ

みーんみーんとセミの鳴き声。

季節は夏。7月である。

学園の入学式から4ヶ月がたとうとしている。

夏はまだ始まったばかりであるんだけど―――

暑い!とっても暑すぎる

今年の夏はいつも以上に暑くないか?

「暑いな」

そんなことを言うのは兄の彩陽(あお)である。

「それにしてもお前は暑くないのかよ?」

「え?全然」

キョトンとしたように平気な顔で答えるのは妹の美唯菜(みいな)だ。

まじかよ…。

「おにーちゃんが暑さに弱すぎるだけ」

妹が心を読み取ったように不敵に笑う。

相変わらずだな…。

前は美唯菜の態度にムカついてたが今はもう慣れた。

兄妹だしいい加減慣れないと困るしな。

俺たちを見ると誰もが母親にそっくりだと言われる。

別にどうでもいいことだが。

俺は黒闇神心優(くろやがみしゆう)だ。

俺が呆れていたが美唯菜が、あ!とういように学校を見た。

「あ、もうすぐで着くね!」

もうすぐか…。

「暑いのは地球温暖化のせいでしょ」

学校は遠く、俺たちの家は車で行くのが普通だが美唯菜がどうしても徒歩がいいていうから徒歩で通うことになった。

母親が心配していたが俺たちも一緒に登下校することになった。

校門をくぐった途端

「ねえ!あれ黒闇神兄妹じゃない!みんなきたよ!」

1人のファンの女子が俺たちに気づきファンを呼ぶ。

「心優くんかっこいい!」

「お兄ちゃんの彩陽くんもかっこよくない?」

あちこちから歓声が聞こえる。

はぁ~~~と大きなため息をついた。

うざい。うるさい。

「妹の美唯菜ちゃんも可愛いよね」

なんてうっとりしてる女子もいるがどうでもいい。

「あいつ…。ファンクラブの会長だっけ?」

彩陽がそんなことを聞いてくる。

なんて彩陽がそんなこと聞くなんて珍しいことだ。

そう目線の先にいる女子だ。

「知らね。」

俺は興味ない。

女子に興味なんか持っても意味ないしつまんねえ。

家族や両親の親友、幼馴染ぐらいの昔から付き合いのあるやつで十分だ。

俺たちが通う星乃宮山学園は幼稚園から大学まである一貫の学校である。

俺たちは小4のころに転入し合格した

校舎に入り上履きに履き替え階段を上り4階にたどりついた。

スペースに人が集まってる

「なんだ?」

「期末テストの結果が張り出されてるみたいだ。」

「すごい!今年も黒闇神兄妹が上位だ。」

最初この学園にきたときはもちろん恨むやつも散々いたが今では馴染めるどころか女子にもてるようになっていた。

キーンコーンカーンコーンと始まりのチャイムが鳴る

「じゃあ私はいくね!」

美唯菜は7組、俺は5組、彩陽は1組だ。

苗字が一緒だから、一緒のクラスに入ったらめんどくさいことになるだろう。

俺たち兄妹はそれぞれのクラスの教室に入った












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る