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@Rinnne-rinnne-rinnne

できないことってありますか

 此の世には色んな人がいる。一人だと死んでしまうわって彼女が、結局知らないところで人の手を借りているのだから一人でなんか生きていけないって先生が。

 いいや、ここで俺が言いたいのはそういうことじゃない。人間同士の関わりなんて利害の一致に過ぎないのだ。他人のことを本当に思っていると自分で思っている人間なんてそんな自分に酔っているか、遠回しな返しを願っているのだろう。


 肩を叩かれて振り返り、自分よりも小さい背の男の子が差し出してきた見覚えのある布地を見て、さっき自分が落としたのだと知る。こんなに小さい男の子もお母さんを見て、眼の前でものを落とした人がいたら拾って渡してあげなさいって教育を受けたのだろう。

 人はまず真似をするところから始まる。お母さんを真似した男の子は将来どうしてこれをすべきなのかを考えることはあるだろうか。まあ、それを当然だと思わない人に出会ったときに気づくのだろう。人は人によって異なる価値観があるからなどとつまらない答えで終わってしまうなら俺はこの子に興味なんてなかっただろうが。

 「だって、人は一人では生きていけないでしょう?」

不思議そうな顔をして見下げた小さい喉が俺の鼓膜を揺らした。


 この子が考えたこともないことなのか。もしくは自分の考えに酔っている俺に絡まれている可哀想な子なのか。きっと後者だ。

 目に見えて見返りを求める優しさはよくない。でも、目を凝らさないと見えない見返りを求めているのは優しさなのか。

 お母さんが自分の息子に教えたのはきっとその子が立派になってほしいが故なのだろう。さらに言えば、それもお母さんが自分のためにやっていることだ。もっと本当に俺が思っていることを言うとすれば、お母さんは息子を立派に育てるという我が儘を息子に押し付けているのだ。結局それが上手くいったら、細かいことを知らない周りの人はお母さんの教育が良かったのねって言うけれど。その子が頑張ったのねって無責任に言うけれど。

 俺にはきっと親の気持ちが一生理解できない。人が我が儘をもつのは誰もがそうだから置いておくとして、それを何も知らない子供に押し付けるなんて思い上がったことをよくできるなと思う。しかも、自分の努力の結果のお金だって自分の子に渡してしまうのは頭がおかしいのかと思うくらい意味分からない。


 ああ。脱線しすぎちゃった。申し訳ない。でも、伝えたいことが少しでも伝わるかなって残しておこうと思う。


 一人っていい。誰にも譲らなくていい。わけもわからない暗黙の了解なんてない。友達だって互いに寂しさを埋めたいだけの関係。恋人なんてもっとわかりやすい。あと俺には家族だって理解できない。もらえる恩恵を拒む理由なんてないからそのままにしているだけで、互いに害があるとすれば離れる関係。誰かになにかをしてあげたいって気持ちの根源って何なのか。かの有名な「情けは人のためならず」という言葉もあるがそんな不確かなものを信じて何になるのか。


 俺のそんな考えを変えることができることを本当に俺は祈っている。




 

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