第16話大樹side
「まさか別れても鈴木グループの御曹司と未だ付き合っているなんて思ってなかった」
「ホントだよ~~。あの子もやるよね」
「偶然、元カレに再会したって言うけどさぁ、本当かな?」
「会社で偶々再会したって話でしょ?あの子から惚気話として聞かされたけど……ある?そんな事?ドラマじゃあるまいし」
「ね~~。元サヤに戻す為にワザと元カレの会社に入ったって見るのが普通だよね」
「あ~、それは確かにね(笑)……ってゆーか……大学の時も彼氏とその周辺の男達とばっかりいたもんね、あの子。女子との付き合いがないっていうか。私達以外と話してるとこあんまり見たことないな。ま、学部が違うからかも知んないけど」
「まぁね、私達だって、サークルが一緒じゃなかったら話さないよ!ま、そのサークルも就職活動に有利だから入ってただけだもん」
「ボランティアサークルね!」
「お陰で面接にやくだった」
最悪だ。
点数稼ぎのサークル活動かよ。
「あの子も私達と同じだったよね?」
「多分、そうじゃない?本人に聞いたことないけど。あの子、人畜無害そうに見えて強かっていうか……要領悪いようで妙に評価されてたもん」
「ま、鈴木グループの御曹司と付き合ってたんだからそれくらい図々しくないと無理かも~」
「当時から婚約者アリって有名だったもん。それを除外して付き合って、御曹司の結婚後は愛人、最後には奥さん追い出して『妻』の座に君臨って!略奪愛で男を横取りした女はやっぱ違うわよね~~」
「だよね~」
女達はケラケラと笑ってる。
その笑い声は下品で不快だったが、それ以上に姉ちゃんの過去を聞いてドンドン血の気が引いていくのが分った。女達のやっかみだ。本当か分かったものじゃない。でも……言い返せないのも本当だ。姉ちゃんが略奪婚なのは本当だ。奥さんから旦那を奪った略奪愛だ。
俺が思っていた以上の事を女達は話している。
確かに「高校時代の元カレ」とは言っていた! 大学卒業して別れた相手だとも!だけどまさか……最初から
姉ちゃんが元カレとよりを戻すために入社したように言われるのは流石に気分が悪い。女達が邪推しすぎるてる。考えすぎだ。それでも違うと言えるだけの根拠もない。女達の会話に「やはりな」と小声で話す新郎側の参加者はどこか納得した表情だ。「やはり」ってどう言う事だよ?!
疑問を口に出せる空気じゃなかった。
俺も心の何処かで同じ事を考えていたからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます