1-1-1〜父親の消えた司命簿〜
「
すると、母親は膝をつこうとして身をかがめる。
「そんなにかしこまる必要はない」
「ここが危険にもかかわらず、我がそなたに忠告しなかったのが悪いのだ」
「本当にすまぬ」
「そなたは、娘を治す医者とそなたの夫を探しているのだろう」
「娘については、我が治してやろう」
「そなたの夫についてだが...」
「
「そんな...。つまり、
「いいや、そうではない」
「
「しかしながら、我や
「なにか知っていることはあるか?」
「いいえ。しかし、『
「都?」
「ええ」
(都周辺には、結界があるはずだ。しかし、弱まっているようだな)
(更に、現在の都周辺は、我々の神殿がさほど多くはない)
(我々も情報が得にくく、知らぬ間に記憶を失わされ闇にさらわれるのも無理はない)
(しかし、都に遠征というのも変だな)
「
「承知しました」
すると、
「ママを助けてくれてありがとう。仙人さん」
母親は、
「違うわよ。『
「こら!
「吾はそのようなことは、さほど気にしない」
「礼儀や作法は、祭壇の前だけでよい」
すると、
「そなた。吾の弟子にならないか?」
「そうすれば、そなたの母親も妹も守れるようになれるぞ」
「ほんとに?」
「ああ。そうだ」
「弟子になる!!」
「それを常に身に着けておけ。吾の弟子としてな」
と言い、頭を撫でる。
「やった! 僕、神様の弟子になった!!」
「都に一番近い神殿に移動する。皆、そのまま動かないでくれ」
すると、家族と荷車に優しく紐のようなものが巻き付き、辺りが見えなくなるほど、強く光り輝いた。
==========
ちなみに「中国の伝統的な服」と言われ、みなさんが思い浮かべているであろう(「チャイナドレス」や「
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