フィードバック「キャラクターの魅力:“固有特徴”と正負の思い出」
別所でお会いした方との会話、そのフィードバックです!
話題提出というか、シェアの向きが強いかも。
拙作を特に読んでなくても、皆様の持論に響き合うところがあったらコメントや引用記事などで是非語ってやってください。
キャラクターの魅力は沢山あると思われますが、今回俎上に載せたいのは“キャラへの憧れ成分”とか、“キャラへの親近感”みたいなやつです。
本題にすぐ向かうために雑に書いてしまうんですが、キャラへの憧れは“すごい! 君いいなー!”と思った時、親近感は“わかるようん、君って一人の人間だねえ……”となった時に強まるとひとまず仮定させて下さい。
こういう仮定を前提とすると、「(君という固有のキャラ特有)らしく描かれる“長所”や“弱点”」はキャラクターを魅力的に見せる要素になるはず。
こういう長所や弱点を“固有特徴”と呼んでみることにします。
キャラの“固有特徴”。これをどう作者として見つけ、また描くか、という話。
ここが本題です。
フィードバックの内容としては「“固特”の掘り下げ参考になる情報聞いちゃったかも!」という感じになります。
近況ノート(https://kakuyomu.jp/users/Igusa_Izuku/news/16817330667373880686)にも書いたんですが、改めて記すとこんな感じ。
■固有特徴、〝必修〟だったかどうかでキャラの抱く感情が変わる
・〝必修〟カテゴリの“固有特徴”は、強迫観念など負のモチベ主導で育ったパターンを多く見る。
(伊草の補:“長所”にまで育っている場合、長所としての自覚や実感が薄かったり、その長所を疎んだり複雑な気持ちになるパターンが多い?)
・逆に〝必修じゃない〟ものは、楽しさ、勝てるからなど正のモチベが役立って伸びてるパターンが多いと感じる
(伊草の補:負との混在、割合型と見るのが正解か?)
例えば三浦建太郎『ベルセルク』に出てくるガッツからすれば、身の丈を越える大きな武器を扱う技能や、人並外れた闘争心は〝必修〟でした。傭兵の養父に小さい頃から戦場で働かせられ続けた彼にとって、子供用などあるはずもない武具を振るい、虐待に心を折られないよう反逆することは生存の最低条件だったからです。
そしてこれは確かに、後のガッツの“己の強さへの無自覚さ”や“後ろに立たれることを極端に嫌がる”といった“らしさ”と深く結びついています。
有名な「それともお前 何十年も修行して達人にでもなるのを待ってから戦場に出るつもりか? 気の
別の例を出すと、それこそシャーロック・ホームズ。
彼の推理力は天性のもので、少年の時からすごいものが大人になってなおのことヤバいものになってますね。これについてはおおむねどのホームズでも共通している要素だと感じています。
これは〝必修〟ではなかった。職業が「世界初の顧問探偵」であったことからもわかる通りで、その力を伸ばす“必要”はなかったんだけれど、たぶん本人が好きで伸ばした。
ドラマシリーズ『SHERLOCK』で描かれたホームズ像は、この固有特徴をキャラクター造形に“らしく”反映した例として端的、際立ってます。
ザックリ言うと、『SHERLOCK』でのホームズは「推理力と関連サブ技能以外はもうどうしようもない問題児」というキャラクター。本人はそれについて認識はしているんですが開き直っており、イカレ野郎呼ばわりされた時に「僕はサイコパスではない。
この傍若無人ぶりがナイスな演技と演出、そして尻拭いをやってくれる相棒ジョン(とかレストレードとか……)のおかげで可愛さに変換されて僕なんかはシャーロックが大好きになったんですが、上記の正負感情の話を振り返ると見事にそういう掘り下げが通る。
つまり、「これが出来て楽しい」という正の感情と誇りが推理にまつわってシャーロックにはある。そして同時に、「これ以外は何も楽しくない、社会のことや他人のことはどうでもいいね、何なら嫌いだね(うっすらわかってるけど、これしかない)」という負の感情も、彼を推理に駆り立てている。シャーロックは推理するネタがなくなると退屈極まってヤバい暇潰しをやり出しますが(これは原作からずっとそう)、「推理以外は何も楽しくない」という気持ちを本人も未だに制御出来てない、抑鬱状態に陥るからデンジャラスなスリルで間を持たせる、平穏な日常にいると心が死にかける、と“弱点”へも繋げている。割合としては正:負で7:3とか6:4とかなんじゃないでしょうか。
自キャラに当てはめて掘っても楽しいですし、新作を精度上げる時にも役立つんではこれ? と思っております。
いかがでしょうか!
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