読書参考記録

新人賞受賞作などから

入りはすばやく、または

 読む方での勉強も大事だ、と思う機会がありまして、隙間のタイミングで、買い込んだり新しく買ったりしていた新人賞受賞作などの拝読を始めました。その感想、メモになります。

 基本的には暫定の書き残しなため、後で訂正したり、「もう記事の主旨からして勘違いしてるじゃん! 引っ込めるしかねえ!」と下げる可能性は大いにあるんですが、フィードバックや話題出しの一環として軽率気味に出していこうかと。

 拝読対象にした御作の一覧は別記事にて。以下本題です。



 まず電撃大賞から三作品を拝読開始。

 一冊ずつ読んでいく方が好きなのですが、今回はお話の入りで気になるところがあったので最初だけめくっていきました。


 タイトルは『エンド・オブ・アルカディア』、『レプリカだって恋をする』、『さよなら、誰にも愛されなかった者たちへ』。

 この頃課題と感じていたのが文章のダイエットだったので、そこに注意して読んだところ、収穫らしき手応えがありました。


 共通して感じたのは、イベントの発生がすごく早くて、個々のイベント処理も高速なこと。

 人に出会う、強い印象を持つ、別の人と出会い、戦う、または話す。もって紹介を果たす。

 それが見開き二頁~三頁で完遂されたりして、とにかく早い。


 一方で、読者の中に生じた疑問の解決スピードはもう少し自由度がある感じ。「どうしてこの子はこんな風に振るまいに気を遣ったり、立場が弱そうなのだろう?」という気持ちを、そのままお話の続きをめくる力に変える……なんてことは普通に大丈夫そうで、そこは自分の感覚とあまりズレてはいませんでした。


 イベントの発生および処理が高速なところにはちょっと面食らって、「昔からこういうの普通だったっけ」と思ってブギーポップやらキノやらを読み返すなどしていました。

 ただ、記憶をたぐると名作『ムシウタ』なんかも最初はちょっと腰の座りが落ち着かなかった気がします。一つ王道としてこのくらいの展開の早さがある、と受け止めるのが正しいのかもと思いました。


 その後、他の新人賞にまつわって手に取った本も何冊かめくってみたりしました。


 『公務員、中田忍の悪徳』、『負けヒロインが多すぎる!』、『魔女と猟犬』、『千歳くんはラムネ瓶のなか』、『現実でラブコメできないとだれが決めた?』の五冊。

 『公務員』以外はおおむね一つのイベントを描くスタイルで、『魔女』以外のイベント進行ペースは早め。『魔女』は比べるとじっくりだけれど、体感では王道くらい。

 『公務員』は際だって落ち着いた進みで、主人公・忍の一日とその内で起きた特記イベントを複数消化する作り。

 自分の体感でしっくりきた……というか、「これならまだしも真似できるかも」と思えたスピード感は『公務員』と『魔女』の二つ。後者はもうしっかり固定読者先輩がついてそうな先生の新作だったから、見習うなら前者かと思ったやつ。


 それでも、イベントメイクが美しい(その一日を描く中でメインキャラ全員(たぶん)との接触を果たしつつ、主人公の人物像をすごく魅力的に描いている。消費紙幅は文庫見開き二〇頁弱、一〇~四九頁)のは言うまでもなくって、何もしないで簡単に真似できるわけもなさそう。

 数をこなしながら意識していった方がいいところ、だよなあ。

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