「来世は君の履くパンツになりたい…♡」と言う変態的告白に対して、どの様な返事をするのが正解なのか…。今の僕にはまだわからない…
ALC
第1話変態的ヒロインズ
「来世は君の履くパンツになりたい…♡」
同級生女子に言われた変態的な言葉に僕は苦笑せざるを負えなかった。
どの様な答えを返すのが正解だったのか…?
その時の僕には理解も出来なかった。
「何言ってんだか…」
そんな適当な言葉でお茶を濁した僕は臆病者だっただろうか。
高校二年生の僕には上手に返答できるスキルなど持ち合わせても居なかった。
気軽い態度で気安く返答を出来るほど大人ではなかった。
いいや、大人でもこんな変態的な言葉を唐突に言われたら返答に困るかもしれない。
その日から僕のもとに集まってくる変態的ヒロインズ。
「僕の人生のヒロインは変態しか居ないのか…?」
そんな言葉が部屋の隅に残響して消えていった気がしたのであった。
翌日。
学校に向かう僕の元に昨日の女子生徒が駆け足で寄ってくる。
「おはよう。秋くん。眠そうな顔してるね?夜、はしゃぎ過ぎちゃった?」
朝から逆セクハラ的な言葉を投げかけられて苦々しい表情を浮かべる僕を見て彼女は満足そうな顔で前を向いた。
「奏ちゃん。セクハラって女性側が加害者になることもあるんだよ?」
僕のマジレスにも近い言葉に
「はいはい。そんなこと言ってるけど…本当は嬉しいんでしょ?こんな美少女にセクハラされて♡」
「セクハラする側ってよくわからない自信があるよね…。そんなことされて嬉しいわけ無いでしょ?」
「分かった分かった。素直になれないんだね。わかるよ。年頃だもんね」
「ダメだ。会話にならない…」
呆れるように嘆息すると首を左右に振って学校へと向けて歩き出す。
「そう言えば秋くんは好きな人居るの?」
急に学生らしい会話にシフトして、その高低差にやられそうになりながら僕はどうにか返事をする。
「今は居ないよ」
「じゃあどんな娘がタイプなの?」
「ん?普通な人?」
「普通?普通な人なんてこの世に居ないと思うけど?皆何処か変で当たり前でしょ?」
「そうなのかな…。じゃあ僕と価値観が合う人で」
「なるほど。相手に合わせる気はないの?」
「う〜ん。どうしても好きになってしまったら…そうするかもね」
僕の答えを耳にした奏は嬉しそうに微笑むと僕に向き直る。
「じゃあ私のために変態になって?ね♡」
奏の遠回しな変態的告白は本日も健在だった。
それに対してどの様に返答すれば良いのか…。
今日の僕もまだ分からないでいる。
「何言ってんだか…」
そんな適当な言葉でお茶を濁し逃げるので精一杯だった。
そして、本日より変態的ヒロインズだらけの僕のラブコメは始まろとしているのであった。
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