第35話 研修医は足手まとい

病院には研修医が来ます。

あのね、ハッキリ言って勉強しかしてこなかったオタクですよ。

それが医師にやたらと看護師(医師狙い)にモテる、勘違いする訳です。

チャラチャラと、くだらない事を喋り掛けてきます。

「ね、今度飲みに行こうよ。」

「えーい!うっとおしいわい!そんな無駄口叩いで無いで

至急にした血液検査みろよー!完全にあんたの指示の点滴じゃダメだろがー!

はよ、指示変更しろやー!」と心の中で叫びまくります。


「先生、この患者さん、カリウム高いですよ、点滴はカリウム無しへ変更しなくていいですか?心停止させるつもりですか?あとナトリウム低いから意識レベル悪いですよ、ナトリウムの補充します?それと、この患者さんの血液培養の結果から考えると今の抗生剤は全く効果ないと思いますが続けますか?この方の血ガスの結果、二酸化炭素溜まってますよ、今の鼻カテのまんまだとCO2ナルコーシス起こして呼吸止まりますけど。あと、ジギトキシンの処方した時はカリウムが排泄されますから、カリウム剤の内服どうしますか?それと、〇〇さんのCV(中心静脈カテーテル)挿入から一ヶ月経ってます、入れ替えはいつされます?回診も今から?ですか。」

やる事やってよ。何しにきてるんだよっつうの。

ナンパしてんじゃない!!


「あ、じゃあ、えーと、、、。」

研修医は本を見ながら必死。あー、また残業だよ。


とっくに勤務時間も終わって残業してると

「あのー、今からルンバールしたいんです、。誰か介助について貰えませんか。」

あの熱発が続いている方か、、。検査しても原因がはっきりしないからルンバールね。

この研修医やった事あるんだっけ??

前の研修は小児科か、小児科ならルンバールはよくやるから大丈夫だよね。


それを聞いた師長が立ち上がった。

「介助は私が行くから!」

おう、ノー!めっちゃこわいーー!師長、できるぞ!大丈夫か?研修医くん。


師長は研修医の前をどしどし歩きその後を処置カートを押して研修医が着いていくのです。

私達は面白くてたまりません。ので、交代でこっそり偵察に行きました。

最初は黙って見てた師長。なかなか椎間板の間に針が入りません。

患者さんは痛がってます。

そのうちですよ。

「おい、そんな角度で入るわけないだろがぁーっ!もっと水平にやれ!!

ちがーう、こうだ、こんなふうにやるんだ!!大人は小児とは違う!」

と研修医の腕を持って指南していました。

チャラい研修医、しょぼ〜ん。

ナースステーションは大笑いでした。


研修医はね、急変時の対応できなくて逃げちゃう人もいたんですよ。

「無理です!できません!」

そう言う時は、ベテラン看護師は

「私の言う通りにやってください!」って事になります。

でもね、2年研修終わる頃にはやはり医師らしくなりますね。

命を預かってるわけなんですから、チャラ男くんではね。

私生活ではご自由に。











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