第2話

春宮 優


そういえば、俺がこの配信者を見なかったのは、優って名前が俺と同じだからだったよな。


春宮 ねぇ、春 + 優 


いやないな、モテない人間のただの妄想だな。



とりあえず、俺はそれからも配信を聞きまくった。前に一番好きだった声にそっくりな声だから何時間でも聞いていられる。


そして、ある日の配信で


「え、私がvtuberを始めた理由ですか?」


春宮は恥ずかしそうにする。

始めた理由か、俺の一言がきっかけだったとか、


やばい、まだ妄想終わってない、痛いは、俺、いたいわ


「実はですね。高校の唯一の友達に声を褒められまして」


「ふぇ、」


「その人は私の恩人なんです。実は皆さん知っての通り高校の私は虐められており、学級委員を無理矢理押し付けられました。その時、後になって私にvtuberをオススメをしてくれる人も一緒に学級委員をやってくれたんです。学級委員は一人でもいいのに、女の子一人だと辛いからって」


き、きき、き、き、お、おぼえのある話だな。


「そして、その人は私の代わりに人前に出てくれることや、人に関わることを全てやってくれました。」


デジャブ??じゃないよね。


「その恩人さんは、私に声が凄く可愛いからvtuberになってみたらと言ってくれました。顔は隠せるし、性格とか、話せば凄くいい人だし、と褒めて」


・・・マジで言っている??マジなの?


「その時は恥ずかしくて断っちゃたのですが、今こうしてやっているんです。実はですね。私の名前はその恩人さんの名前を勝手に使わせて貰っています。」


名指し、来ました!!


「いつか、見てくれてると嬉しいです。そして感謝したいです。私を助けてくれて、こんな私でも人のために誰かを幸せに出来ることを教えてくれてありがとうございます。って」


これはもう、流石に妄想じゃないだろ。


・・・伝わってるよ。俺凄く嬉しいよ。あの時の時間は俺も大切な思い出だし、それをこうして俺の好きなことをしてくれて俺は凄く嬉しいよ。

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