面接

面接ー1

「とにかく、あなた達の最大の難関は面接です」



私の妊娠が発覚し、馬場先生の提案で、大きく戦略を変えた。

大学の社会人入試をすることにした私と、専門学校の三年制の理学療法士学科を受けるショウくん。


私の受ける学科は、小論文と面接のみ。

ショウくんの専門学校は、英語と生物の2科目と面接。

ショウくんは、学科試験はほぼ合格ラインまで頑張った。

私に関して言えば、小論文には自信がある。

馬場先生からもお墨付きをもらっている。


 とにかく、両者、普通に面接官とお喋りができるのか?

そこだ。


面接の練習をさせられる。

馬場先生の同僚さえ巻き込んで。


入室の仕方、歩き方、座り方、顔の表情からだ。


「背筋を伸ばして、体はまっすぐ!」

「斜に構えない」

「上目遣いになってます。気を付けてください!」

「目付きが悪い」

「手は膝の上」

「もう少しニッコリできませんか?」

「違います!それでは不敵な笑みです」


やっと、質疑応答の練習になったかと思えば、敬語はその都度直される。


「19歳まで日本にいたんですよね?」

「あなた達、日本人だったんですよね?」

「日本人だった事を思い出してください!」



私の受験は12月、ショウくんは1月だ。



ーKerlyー





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