フランスへー3

 「着いた」と電話を入れる。


しかしだ、


「途中渋滞に巻き込まれたから、もう少し待て!そこから動くな」


という返事だ。。


「あーーー」

声に出して叫ぶ。

私の周りから人が離れていく。


 座り疲れているケイトが、ベビーカーから降りたがる。

窓のある場所に移動し、バックパックを置いて、ケイトを少し遊ばせる。

ケイトは、窓に張り付いて、外を見ている。


電話が鳴る。


「着いた。どこにいる?」


「もう疲れたよ。探し出してよ」


と、電話を切る。



 しばらくして、どこからか、「カーリー」と呼ばれた気がして振り返る。


そこには、両手を広げたルーがいた。


床に座っていた私は立ち上がり、少しずつ小走りになり、彼に飛びついた。

彼の首に手を回し、彼の体に足を巻きつけ、思い切り泣いた。


そして、久しぶりの生身の彼の唇にキスをした。


「なんだ!泣いてるのか?」


そう言って、彼はもう一度キスをした。


しかし、すぐさまストンと降ろされ、ルーはケイトを抱き上げ、そして抱きしめた。


その様子を見ている私に、ジェームスが近づいてきた。


「え!どうして?」


「今、俺も映画の仕事に参加してるんだよ」


そして、ハグしてキスをした。



 その一連の様子は、写真に撮られていた。


ルーが、フランスでは有名人だということを忘れていた。



ーKerlyー

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