Scream of No Name

後輩ー２

　レイちゃんの気持ちをつゆ知らず、

私は、そろそろ大学受験に向けてのお勉強をしなくてはと焦っていた

でも、何をどうすればいいのかわからない。

そうだ！

新装オープンのライブに来ていた大学生バンドに聞こう！

あの後も何度か『ウィズＲ』のライブに、私たちは出ている。

そこで、何度か、彼等とも一緒になっている。

ということで、飲みに誘ってみた。

　バンド名は『ホワン』

ギターはレン、ベースはしゅーと、ドラムはピボ、ボーカルとキーボードはみゆ。

ロックのテイストもあり、さわやか系もある、女性ボーカルのバンドだ。

２0歳くらい。

４人とも同じ大学の学生だ。

「誘ってもらって嬉しいっす」

「憧れの人達と飲めるなんて」

「なんか緊張します」

いつも一番下だったから。

後輩って初めて。

なんだか可愛い。

「かんぱい！」

しゅーととピボは、ソフトドリンクだ。

私たちは、まずはテキーラ。

今日は2ショットにしておこう。

後輩の前では、失態は見せられない。

「でも、凄いですね！アルバムUKチャート入ってましたね。

今時CDで売れるって凄いっすね！」

「えー！そうなの？」

「知らないんですか？

ぐっさんのライブハウスにも、Scream of No Nameの問い合わせが結構来ているみたいですよ」

「ぐっさんも、何も言わないし、

チャートとか、あまり気にしたことなかったしな」

「さすがっすね！世界目指してる人って、そんななんですね」

「それは違うよな」

「昔は、先へ先へだったけど、

今は今で、そこまで気が回らないって言うか」

「凄い昔の話みたいだよね」

「集大成出して突然消えたみたいに言われてますけど、終わりじゃないですよね？」

私たち、そんな風に思われてるんだ。

ーKerlyー