18歳の頃ー3

 母は、八木さんやレイちゃんのパパのことを全く取り合わず、


「うちのことは構わないでください!」

の一点張り。


父は、公務員で堅物だ。


「ロックだとか、ミュージシャンとか、バンドのことは、全くわかりません」


「寝耳に水なんです。

この子のそういう所を一度も見たことないですし」


「せっかく国立大に受かったのに、それを棒に振ってまで、そのロックを続ける価値はあるんでしょうか?」


「そのロックとやらで食べていけるんでしょうか?」


レイちゃんパパが、


「音楽やっている人間には、これで食っていくのは夢なんです。

挑戦させてやりたいんです。

その後押しをしたいと思っているんです」


八木さんが、


「この子達には、才能があります。

日本だけに留まらず、世界にも行けると、私は信じています」


「音楽やる事を認めてやってほしいんです」


父も母も、言われる程意固地になる。


そして、

この日も不発に終わったふたりの帰り際、母が私を隅に呼び出し放った一言に、一同凍りついた。


「あんたは、この男達をどうやって味方につけたんだい?

裸になって誘惑でもしたのか?」



ーKerlyー

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