18歳の頃ー2

 八木さんは、その頃、まだメジャーレーベルの会社に勤務していた。

計画を練っていた。


高校生の頃から、たびたび私たちの元を訪ねてきて、色々アドバイスしてくれていた。


「これからは、CD売ってなんぼの時代じゃない。お父さん達の頃とは違うんだ。」

「動画配信サイトに、ライブ動画をあげろ」

「MVを作ろう!」

「SNSをやれ!」


それでも、なぜかインディーズでのデビューを勧めてきた。



「お前らの音楽だけを追求しろ」



 その頃、地元出身で、郊外にレコーディングのスタジオを個人で所有している大物ロックバンドのギタリストTAKAさんに、スタジオを借り、レコーディングの手解きが受けられるように手配もしてくれていた。


TAKAさんは、高1の時に出たコンテストで、私たちを特別賞に推してくれた人だ。

八木さんと同じ会社だったということもあり、私たちは、とても良くしてもらった。

師匠と呼んでいる。



 それと同時に、八木さんはレイちゃんのパパと共に、私の両親を説得する為に、何度も会いに行ってくれていた。

その時に、家を追い出された事を知られてしまった。



ーKerlyー


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