強すぎる想い

強すぎる想いー1

 ルーがフランスに戻った数日後、レイちゃんとショウくんに、哲治さんの店に誘われた。


話題は、もっぱらルーの話だ。

私は、もう涙も枯れ果てていたので、淡々と話す。

それでも、話すにはまだ辛い思いもあったので、久々テキーラ3ショットを一気に喉に流し込んだ。


フランスで一緒に暮らさないかって言われたけれど、断ったこと、

ルーもそのことはわかってくれていること、

私は、大学に行きたいこと

を、2人に伝えた。


「なんで断ったんだよ?」


レイちゃんが、少しヒートアップしている。


「だって、私は、レイちゃんとショウくんと一緒にいて音楽やっていきたいし、私にはそれしかないし」


「俺たちのことで、断ったのか?」


ますますヒートアップするレイちゃん。


「そういうわけじゃない。

私たちのことは、ちゃんと話し合って決めるから、大丈夫」


「冗談じゃねえよ!」


レイちゃんが立ち上がって、大声を出す。

哲治さんも、周りのお客さんも、私達に釘付けになっている。


「俺たちの為に、幸せを棒に振るのかよ!」


私も立ち上がる。


「私には、このバンドが全てなんだよ!

男とか女とか、愛とか幸せは、その次なんだよ!

覚えとけ!」


レイちゃんは、店を出て行った。

ショウくんは、泣きじゃくる私を無言で抱きしめていた。


ーKerlyー





◇◇◇

スピンオフあります。


『ピアスとタトゥーと本棚〜カーリーof Scream of No Name』

https://kakuyomu.jp/works/16818023212402223344


『パンクな姉と優等生な妹の噛み合わない夜』

https://kakuyomu.jp/works/16817330668195992904






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