パパ友ー2

 泣いているケイトを抱きしめていると、隣から声をかけられた。


「これで遊ぶ?」


そう言って、砂場遊びのセットを砂場にぶちまけた。

ケイトと同じ位の男の子を連れたパパだ。


ケイトは、その男の子と、シャベルを手に取って砂を掘りバケツに入れ始めた。


「サンキュー」


しまった。

これも英語か?


すると、そのパパは、


「にほんごわかりますかー?」


と変なアクセントで聞いてきた。


「日本人なんで」


と言ってやった。

ちょっと変な奴だ。


「子供とも英語で話してるから、外国人なのかと思った。」


「あのお母さん達も、ヤバイ外国人だと思ったんじゃない?」


ヤバイ奴は聞き慣れてるけど、お前も、そう思ってるのか?


 その時、ケイトが私に近づいてきて、


「マミー」

と言った。


「え!マミー?ママなの?」


「パパ友だと思ってたのに」


ムカつく。


「ごめん!

だって、髪短くて、ロックTシャツ着て、サングラスかけて、大股開きで砂場のヘリに座ってて、おまけにその声じゃあ。」


「失礼な!

女が、こういうスタイルじゃいけないの?」


そのパパは言った。


「ごめんごめん!

たしかに、オレの偏見だ。

君の言う通り」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る