姉妹の秘密ー12

 新居に引っ越した。

果穂ちゃんは、あの事件の後家に帰るのが怖いと言い、私のアパートの同じ階の空き部屋に引っ越してくることになった。


 ボスの後に来てくれた黒川さんは、私に厳しい。

家事を叩き込まれた。

でも、料理はまだまだ無理。

幸子おばさんやレイちゃんママが差し入れしてくれる。


 黒川さんが帰った後、ロンドンの仲間のルーが来てくれた。

私以上に、世間知らずのお坊ちゃまが来てどうなんだと思っていたが、どうにかやっていけてた。



果穂ちゃん、ほらね!

私、家事も育児も頑張っている女の子でしょう?



 12歳で心を閉ざして、それからは、レイちゃんショウくん始めロックな男ばかりの中で、負けないように生きてきたんだもの。

これしか知らないの。


『ジャパニーズ・スリーピース・ボーイズ・バンド』って呼ばれていた時もあるけれど、


初体験の相手は、泥酔していて、顔も名前も覚えていないけど、


どっちの経験もあるけれど、


こんな私でも、理想の初体験とかはあったの。

同年代の男の子と恋に落ちて、ぎこちないキスをして、ぎこちなく抱き合って。

どこへやらだけど。



 男だとか女だとか、そんなの、もうどうでもいいの。

これが、私なの。

もう変えられないの。

きっと。


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