帰国〜果穂ー3

 結局、空港まで来てしまった私。

なぜだろう?

会いたかった?

好奇心?


 仕事終わりに急いで空港に来たのに、姉の乗っている便は1時間遅れ。

腹が立ってきた。

時間まで、軽く食事をとることにした。


 姉と再会して、何を話すんだろう?

そもそも8年ぶりに会って、お互いがわかるんだろうか?

そんな事を考えていたら、少し緊張してきた。


 私たち姉妹を支えてくれていた祖父は、3年前に心筋梗塞で急死。

祖母は、昨年末癌がみつかり手術を受け、現在入院して抗がん剤治療を受けている。


父と母とは、私すら疎遠だ。

勘当状態で家を出て、海外にいた姉ならなおさらだ。


 出迎えてくれる人はいない。

きっと私だけだ。

私の中に、そんな思いが無意識にあったのかもしれない。

仲の悪い姉妹ではなかった。

少し感傷的にもなっていた。


 空港内のカフェを少し早めに出て、到着ロビーに向かった。

さすがにこの時間になると、出迎えの人も少なかった。

黒い革ジャンを来たおじさん二人とその一団がいた。

あとは、ポツリポツリと椅子に座って誰かを待っているのかもしれない人達がいた。


私も、到着口が見えるベンチに座り待つことにした。

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