生々しいPVの話アリ。置かれた場所で咲けるかどうかは、置く場所とタイミングによるッ(たぶん)

 前置きしておくと、この回には生々しいPVの話が出てきます。そういうのが苦手な方はブラウザバックをお願いします。また、カクヨムコンに毎回参加していらっしゃる方にとっては、「何をいまさら~」な話も含まれます。


***


 年末に「海外旅行で病院送りになった話」というエッセイを掲載し、カクヨムWeb小説短編賞に応募した。

https://kakuyomu.jp/works/16817330668901680421


内容はタイトルの通り、海外旅行中に嘔吐と胃痛がひどくなって動けなくなり、病院へ行った、というトラブル話。それをあまり深刻にならないよう、軽い読み物として書いている。


 このエッセイ、実はカクヨムでは2回目の掲載である。カクヨムコンに合わせて字数を調整し、多少修正をしたものの、内容はほぼ同じ。しかし、PVは雲泥の差であった。


以前の公開期間は、2021年8月9日から2022年8月7日までの1年間。4話あわせてのPVは合計25だった。評価の星は6(評価してくださった人数は2人)。


今回は2023年12月24日公開、現在は2024年1月13日。公開から約3週間。4話あわせてのPVは合計446。評価の星は85(評価してくださった人数は29人)。


 PVは前回の17.84倍である。ワオ!

エッセイのPVとして多いか少ないかはわからないが、わたしにとってはたいへんありがたい数字であり、何よりレビューや感想コメントを多数いただいた。


同じ内容のエッセイでこうも反応が違うのか!? というのは、わたしにとっては驚きであった。そこで、前回と今回では何が違うのか? を分析してみる。


1.SNSでのつながりができた

 以前の公開時は旧Twitterしか使っておらず、広報は何をやっていいのか今ひとつわからなかった。


 現在はMisskey.designというSNSをメインの活動場所にしており、そこで名前を認知していただいたため、読んでくださる方が増えた。アップ直後にカクヨムのフォロワーさんとその方々が読んでくださったため、カクヨム上で浮上し、人目に触れる機会が増えたのではないかと思われる。



2.カクヨムコン時期であった

 カクヨムユーザーならだれもが考えるこの可能性。これはもちろん大きいと感じる。しかし、いくらカクヨムコン時期であっても、何らかのスタートダッシュがなければ人の目に入ることはできない。わたしは無名であり、交流上手でもないので当然のことだ。そこは「1」あっての「2」なのではないかと思う。


 実は、カクヨムコンに参加するのは初なのではっきりとは言えないのだが、このスタートダッシュがあれば、カクヨムコン時期はブーストがかかりやすいのではないかとは感じた。サイト全体に、「はじめての作者の作品も読んでみよう」「評価や星も残してみよう」というムードがあるように思う。自分自身もそういったムードに背中を押され、「はじめまして」の方の作品にもコメントを残している。「思う」とか「感じる」ばかりで、このあたりは感覚に過ぎないのだが……。



3.タイトルを変えた

 内容はほとんど変えていないが、作品タイトルは変えている。


以前の公開時は『ダナンの長い夜』。

各話のサブタイトルは「体調不良 ビギンズ」「病院へ行こう」「丸毛夫婦の病院危機一髪!」「いつか旅行する日」。


今回は連呼しているとおり、『海外旅行で病院送りになった話』。

各話のサブタイトルは「はじまり」「旅行先で動けない! 病院へ行こう!」「病院を間違えていた……だと!?」「まとめ 気になるお金の問題&海外旅行で体調を崩したら」。


 今回のタイトルは、とにかくSNS上でもカクヨム上でも、「なんだろう? 読んでみよう」と思ってもらえるものを目指し、内容がはっきりわかるものにした。


 そこでつけたのが、よくある「〇〇な話」形式のタイトルだ。この形式についてはひとつ自論がある。それは単に「(主語+述語)な話」(今回のタイトルに主語はないが、便宜上)だけでは目をひかない、ということだ。人の目をひくのは、この主語と述語の組み合わせが、作品がもたらすであろう意外性、驚き、不穏さ、楽しさ、ときめきなどを予想させたときのみ。


 それを狙って、「体調不良になった話」でも「一泊入院した話」でもなく、「旅行保険を使った」でもなく、「病院送り」というやや強めのことばを選んでいる。海外旅行での体調不良は皆、不安なものなので、「えっ、そういうとき、どうなるの?」と興味をもってもらえるのではないかと期待したのだった。


サブタイトルも同様に、エピソード一覧を開いたときに、なるべく「その回のポイント」がわかるようにつけた。2話は「動けない」と具体的に困ったことを入れ、「どうなっちゃうの!?」感を演出。3話目は「病院の間違え」というドキドキポイントを訴求。4話目は「まとめ」と題すると読んでもらえない気がしたので、「海外で病院にかかる」と聞いたときに最大の関心事になるであろう「お金」の問題にふれていると明記した。



 数字を用いた分析ではなく恐縮だが、自分が感じたところは以上だ。


同じ作品でも、公開時期、タイミング(カクヨムコン、交流の有無)、タイトルの変更……つまり作品の「置き方」によりこんなに変化がある、というひとつの例になるのではないかと思い、ここまで綴ってみた。


 今回、多くの方に読んでいただけて何よりうれしかったのは、感想を寄せてくださったことだ。その多くに「楽しく読めた」とあった。「海外旅行に興味のある人にもない人にも、できるだけおもしろく読んでいただけたら」と思って書いたので、楽しんでもらえたのなら何よりだ。


前回のPV25に対しては、正直、昔もいまも「わたしにしては、読んでいただけた」と感じている。じゃあいまのPVは? と聞かれたら、やっぱり「わたしにしては、読んでいただけた」。


ひとつ変わったのは、「自分は、人を楽しませるものが書けたのではないか」と思えたことだ。前回のアップ時もおひと方から「読みやすくおもしろかった」とありがたい感想をいただき、とても励みになった……というか、めちゃくちゃに心の支えにしていたのだけれど、「やはり、わたしの筆力では多くの人を楽しませることはできないんだな」というあきらめもあった。


それが、「わたしも『書く』ことで人を楽しませることができるのかもしれない」という期待感に変わった。自信を与えてくれた。これは得難いことだと思う。


「読まれる」ことは、さまざまな機会チャンスを、力を与えてくれる。もし、「もっと読まれたいなあ」と悩んでいる方がいたら……。弱小作者の体験談で申し訳ないけれど、何かの参考になればと思ってこのエッセイを書いてみた。


多くの人の「書く」「読む」が彩り豊かなものでありますように。そして、「そのPVでそこまで思えるの!?」と思った方は、ぜひ! ぜひ! 創作論を書いてください。読みたい! 切に!

……みっともなくなってきたところで、そろそろ筆をおくことにいたします。

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